英字紙ウォッチング

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米民主主義のバイアス

 晴れ。今日も猛暑。
 アメリカの民主主義には、地方の共和党員に埋め込まれたバイアスがあるのだという。
 どんな投票システムにも欠陥はある。英国は、当選者が力を持ちすぎる欠陥がある。イタリアは伝統的に政府が弱い。イスラエルは小さく、党派がわかれがちになる。しかし、米国の場合は、多数派の専制よりは、少数派の専制というべきものに悩まされている。
 こうしたことが起きるのは、都市部と地方部の有権者の間で分裂がますます大きくなっているからだ。米国の建国者らが考案した選挙システムと、その継承者らが発展させたものは、都市部の有権者よりも地方部の有権者によりも影響力を持たせている。共和党の場合は、不均衡なほどに地方部に拠点を置いており、民主党は逆に都市部に拠点を置いている。そのことが、共和党民主党よりも一票の価値が大きくなっている。
 その結果はドラマチックだ。共和党は上下両院とホワイトハウスに権力を握っている。しかし、2012年から16年までの3回の選挙において、共和党の候補者が上院議員選挙で得た得票は46%に過ぎない。
 こうした不均衡の一部は制度設計にある。もっとも大きい州ももっとも小さい州も、それぞれ2人の上院議員を出せる。しかし、地方部の州における過大代表は、下院と大統領選挙に影響しないと考えられてきた。
 https://www.economist.com/leaders/2018/07/12/american-democracys-built-in-bias-towards-rural-republicans