英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

高まる不安

 曇り。
 米大統領選。長きにわたった選挙戦もようやく終わった。あとは投票を待つばかりである。振り返ると、熱狂的に州から州へと駆け回り、苦く、変動の激しい選挙戦であった。
 最後の遊説は、クリントン氏はバラク・オバマ大統領とミシェル夫人とともに、フィラデルフィアに赴いた。一方、トランプ氏は5州をまわった。
 米国の有権者数は1億3000万人。現代の政治史上でもっとも予想しにくい選挙に一票を投じる。それは大統領を選ぶだけでなく、最高裁や上院の行方も左右する。初めて女性大統領を選ぶかもしれない。
 月曜日までに4200万人の人々が事前投票を済ませた。アリゾナやフロリダ、ネバダなどの重要な州において、記録的な投票率となった。
 http://www.wsj.com/articles/hillary-clinton-and-donald-trump-battle-to-the-end-1478562393
 投票日が近づくにつれ、投資家の不安心理は増している。選挙後の投資戦略について練り直しを迫られている。
 世論調査によると、両候補の支持は接近しており、投資家たちは2つのまったく正反対の結果のバランスよくみなければならない。一つはトランプ氏の勝利。もう一つはクリントン氏の民主党が議会でも勝利を収めるシナリオだ。
 この2つは市場がまだ評価できていない出来事で、それゆえに起こりそうもないとみているのだという。
 トランプ氏の勝利は、多くの投資家が分析しているように、米国内外の投資家は安全資産に逃避しそうだ。それは貿易政策から主要な個人的な決定に至るまで不透明性が増すからだ。
 多くの投資家が考えているメインシナリオは、クリントン氏が大統領選挙で勝利し、上院では民主党が多数派を握るものの、下院では共和党が勝利する、というものだ。最近トランプ氏が世論調査で巻き返していることもあって、下院でも民主党が勝利するとの見立ては減退している。
 http://www.wsj.com/articles/investor-angst-ratchets-up-as-election-nears-1478434942