英字紙ウォッチング

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キム主席の柔軟路線

 今日も晴れ。
 北朝鮮のキム主席は、核開発実験施設を廃止し、長距離ミサイルの発射実験を中止すると発表した。しかし、核兵器開発は少なくともすぐにはあきらめていないと示唆した。
 キム主席のこの硬軟取り混ぜたメッセージは土曜日に北朝鮮の国営ニュースメディアを通じて流された。トランプ大統領との会談を前に、北朝鮮に捉えられている米国人の解放交渉も示唆した。懐柔策のトーンをにじませつつ、キム主席は核実験の中止は世界規模の軍縮にとって重要なプロセスである、と述べた。そして、北朝鮮は他国と核に関するノウハウを共有しない、と述べた。ただ、これは条件付きであり、核の脅威や北朝鮮に対する挑発がないならば、という条件を付した。
 同時に、キム主席は核兵器を廃棄することについてヒントを出した。
 ただ、長距離のミサイル実験はこれ以上行わないと約束したものの、韓国や日本を攻撃できる短距離ミサイルについては言及しなかった。
 トランプ氏もツイートで称賛したが、政権幹部は注意が必要だと促している。キム主席の声明に満足しているが、ミサイルや核兵器の生産をやめるとは書いていないからだ。また、非核化についての言及もない。
 このキム主席の声明は、CIAのポンペオ長官がピョンヤンを訪問したことが明らかになった後にわかった。この訪問により、キム主席とトランプ大統領との会談後に、3人の米国人を解放するとされる。米朝首脳会談は、6月中旬に北東アジア以外で開催される予定である。
 専門家らは、北朝鮮が示したこうした手順は、すぐに反転する可能性があると指摘している。米朝首脳会談であまり進展がなければ、それは米国のせいである、とするための伏線だというのだ。
 https://www.wsj.com/articles/north-korea-suspends-nuclear-long-range-missile-tests-and-plans-to-close-nuclear-test-site-1524264301