曇り。
米中貿易戦争の続報。今後も厄介な障害が待ち受けている。3か月間の猶予期間が与えられたが、解決すべき問題が山積している。
米中の貿易をめぐる休戦は、経済戦争を鎮静化させ、話し合いのわずかの余地を開いた。
トランプ大統領と習国家主席による週末の夕食会の後、米国は来年1月から2000億ドルの中国製品に対する関税を25%へ引き上げることを延期した。しかし、これには両国の間でいくつかの課題、しかも手におえない課題を話し合う、3か月の期限が設定されている。
課題の中には、技術移転や知的財産権、非関税障壁などの問題がある。サイバースパイの問題もある。
中国政府の高官は、米国が交渉したがっているテーマを受け入れると言っていない。さらにいえば、どの問題で妥協すれば米国が関税引き上げを断念するのかも明らかでない。
米国のペンタゴンや国家安全保障担当者にとって優先順位の高い問題、南シナ海の軍事施設建設なども頭痛の種である。
ある専門家は、米国経済がスローダウンすれば、米国が関税引き上げに動くことはありそうにない、と指摘する。
一方、北京政府にしてみれば、今回の休戦は安心感を誘っている。米国政府内でも、今後の対中交渉をだれが担うのか、はっきりしていない。日本や欧州との交渉では、ライトハイザー氏が担当した。しかし、対中交渉では、財務省のマルパス次席が議論を主導している。