英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

揺れ動くメキシコ

 トランプ氏の余波でメキシコが揺れ動いている。同国は170年にわたる敵意と近年の米国に対する友情との間で揺れ動いているのだ。
 メキシコは1980年代半ば以降、経済の低迷に苦しんできた。米国からの投資は少なく、ほとんどのメキシコ人は米国のことを歴史的な敵であるとみなしていた。メキシコの麻薬マフィアが米国の麻薬取締官を拷問し、殺害すると、当時のレーガン大統領は一時的に国境を閉鎖した。
 しかし、30年が経ち、多くのことが変化した。NAFTAによって、二カ国間の貿易は5000億ドルを超えるまで増えた。安全保障や移民、環境面では協力が行われている。ウォルマートはメキシコにおいて最大の雇用者である。
 トランプ氏は素早くNAFTA再交渉に動こうとしている。そして、壁を国境沿いに建設し、移民流入を抑えようとしている。トランプ氏は同時に、前任の4人の大統領が雇用を国境の南に移したことで、米国経済をダメにしたと主張している。
 https://www.wsj.com/articles/mexico-teeters-between-its-recent-u-s-friendship-and-170-years-of-hostility-1486324539