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最高裁判事、空席の意味

 晴れ。
 トランプ大統領による入国禁止令は、司法が適否を判断している。しかし、最高裁判事が空席であり、補充される判事の任命次第で司法の判断が覆る可能性がある。
 最高裁の判断は現在、4対4で分かれている。
 最高裁判事の空席は、トランプ大統領による旅行禁止令が今後数ヶ月で強制されるか否かを決めることになる。
 現在、移民局はトランプ大統領による1月27日の命令を執行していない。この命令は最低90日間、7カ国からの訪問者の入国を延期する措置である。この命令は同時に、4ヶ月間難民プログラムを凍結することも意味している。
 司法の判断も迅速に行われており、金曜日遅くにはシアトルの連邦地裁が旅行禁止令の執行を制限するよう求めた。
 日曜日朝には、9番目の米国巡回裁判所が司法省の執行要求を退けた。その代わりに、この問題に関するより詳細な法的説明を求めている。月曜日遅くには最終判断が示される。
 現在、最高裁はリベラル派判事と保守派判事とが4対4で分かれている。このことを考えると、9番目の巡回裁判所が最高裁の支援を受けることは期待できそうもない。最高裁判事が空席なのは、スカリア判事の死後、オバマ前大統領が指名したガーランド氏を共和党が拒否しているからだ。
 トランプ氏は空席の最高裁判事候補として、Gorsuch氏を指名した。もちろん、8人の現職判事がイデオロギーごとに単純に二分されるわけではない。彼らの中で合意に至ることは十分ありうる。しかし、移民問題についてははっきり意見が分かれている。最高裁判事が9人になった暁には、いずれ法的な結論に至るだろう。
 移民入国問題以外にも、法的な争点は数多く存在する。
 https://www.wsj.com/articles/court-denies-justice-departments-request-to-immediately-reinstate-trump-travel-ban-1486286937