英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

サウジアラムコ上場

 晴れ。
 米大統領選。クルーズ氏とケーシック氏が連合を組むことになった。反トランプ連合の結成である。しかし、ほとんど成功する見込みがなく、危険な反応を引き起こす可能性もある。
 http://www.wsj.com/articles/cruz-kasich-alliance-the-latest-gop-stunner-1461598250
 サウジの国営石油会社が持ち株会社に移行し、子会社であるサウジアラムコをリヤドの株式市場に上場させる。
 放出する株式は時価の5パーセント以内で、米国市場への上場もありうるという。過去最大の株式上場となる。
 同国のムハマド・サルマン王子によると、アラムコの時価総額は2兆から3兆ドルにのぼると推測されるという。サウジアラムコは年間売り上げや利益、債務などを公表しておらず、これまでその財務内容はヴェールに包まれていた。また、2600億バレルとみられるサウジの可採埋蔵量について、新たな精査が求められることになる。
 王子はテレビで述べたが、ポイントは、サウジアラビアの石油依存経済を、より民間企業にフォーカスした経済に変える計画だと述べた。
 投資家がアラムコ株式を入手できるのか、また2兆ドルという時価総額の根拠ははっきりしないが、中東にフォーカスしている投資銀行家たちは熱狂している。中東の株式上場は珍しいからだ。アドバイザリーのマンデートを獲得しようと、リヤド訪問が続いている。
 http://www.wsj.com/articles/saudi-aramco-to-become-holding-company-with-listed-subsidiaries-1461585078
 サウジの経済改革プログラムに関するニュースである。政府の補助金を減らすなどし、サウジを石油依存体質から脱却させることを狙っている。今後5年間の計画である。
 計画はサウジの内閣(?)によって承認され、低価格原油のもとでサウジ経済が描く軌道を示した。計画を主導したのは若干30歳の若き王子、ムハンマド・ビン・サルマン王子だ。サルマン国王の息子である。
 計画の全体を貫く目的は、収入の7割を占める原油への依存を分散させることだ。計画の名称は「サウジビジョン2030」。2020年までに石油収入なしに国家財政をまかなえるようにするのが狙いだ。計画の詳細は6週間以内に公表される。
 中東産油国の中では、UAEカタールクウェートも同様のプランを公表している。しかし、問題は実行力である。
 サルマン王子は同時に、超保守主義的なサウジのイメージを変えることも求めた。すべての国からの観光客に開放するとも述べた。現在、同国の観光ビザは巡礼目的以外は認められていない。
 http://www.wsj.com/articles/saudi-arabia-approves-economic-reform-program-1461588979