英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

プーチンとメルケルのばかしあい

 タックスヘイブン問題。今度はアイスランドの大統領夫人がオフショアのタックスヘイブンを利用していたことが判明した。大統領自身は妻の金融取引について、一切知らなかったとコメントしている。
 アイスランドではグリムソン氏が20年間にわたり、大統領職を務めている。先月、5年の任期を務めた後、もう一期務めるために選挙に出ると宣言し、多くの人を驚かせた。彼の決定はパナマペーパーによってアイスランドの首相が辞任したことに刺激されたものだ。
 グリムソン大統領は72歳であり、世論調査によると圧倒的な支持を得ている。
 しかし、妻の取引となると、別問題だ。妻の弁護士たちは、取引は合法的であると述べている。ただ、アイスランド首相が辞任した際、多くのメディアはBVIに設けられたウィントリスという秘密の投資会社における取引の詳細を公表した。この会社は首相の妻が保有していた。
 首相の妻の取引は、議会の金融取引登録に深刻する必要がないものだったとされている。しかし、この取引が公表されたことにより、世論の強い批判を浴びた。
 それから2週間後、今度はグリムソン大統領に焦点が当たっている。大統領は首相のようなオフショア口座における同様な取引は存在しないと断言した。妻はちなみにロンドンの豊かな宝石商である。
 しかし、まだ報じられていない、HSBCプライベートバンク取引の一部によると、大統領の妻が英国の外にある会社などを使っていたことが判明した。
 大統領の妻の一族は、ロンドンのお金持ち相手の宝石商を営み、世界でもっとも裕福な宝石商とされている。サンデータイムズの超富裕層リストによると、一族の資産は推定で2億ポンドとされている。
 http://www.theguardian.com/news/2016/may/02/iceland-presidents-wife-linked-to-offshore-tax-havens-in-leaked-files
 ロシアとドイツ、プーチンメルケルのばかしあい、虚虚実実の駆け引きが繰り広げられている。
 ロシアの国営テレビ局は先週、ドイツのメルケル首相をこう皮肉った。彼女はねずみのように見え、二重の建前を使い分けている。彼女の移民政策はドイツのファシストを利する政治的な自殺行為である、云々と。
 共産党政権が終焉して以降、ロシアのプロパガンダマシーンがこれほど痛烈にドイツの首脳をこき下ろすのは例のないことだろう。
 ほんの数年前まで、ロシアはドイツを親密国の一つとしていた。しかし、世論調査をみると、ロシア人はドイツを敵国の一つと考え始めている。前任のシュレーダー氏と異なり、メルケル首相はイデオロギー的にロシアに反対する人物のようである。ロシアのウクライナ侵攻に反対している。
 一方、ロシアにしてみれば、メルケル首相の原則へのこだわりは、彼女を一層受け入れられない存在にしている。プーチン大統領はいまやメルケル首相追い落としのため、最大の努力をはらっている。
 最後の一段落のエピソードは、メルケルプーチンの関係を象徴しているようで興味深い。
 http://www.economist.com/news/europe/21697236-germanys-establishment-once-believed-conciliation-russia-no-longer-fool-me-once?spc=scode&spv=xm&ah=9d7f7ab945510a56fa6d37c30b6f1709