英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

トランプと自由貿易

 米国の大統領選。トランプ候補は共和党の伝統的な政策である自由貿易支持について、反対の姿勢を強めている。トランプ氏は共和党らしい他の政策、たとえば、財政赤字の削減についても異を唱える見込みだ。
 過去にポピュリスト的立場から大統領選に立候補した候補をみると、NAFTAなど自由貿易協定に反対する姿勢を示している。1992年の大統領選では、パット・ブキャナン氏がNAFTAに反対した。
 ブキャナン氏は最近のインタビューでこう述べている。「いまや、共和党員たちはこうした貿易協定が政治的にコスト高となりうることを知っており、協定に賛成と投票する人は減っている」
 経済的な争点に関して、大統領候補と共和党の親ビジネス派支持者との間で意見が対立していることが、トランプ氏の影響によって白日の下にさらされつつある。
 たとえば、クルーズ候補は当初ファストトラックに賛成の立場だったが、それを変えてオバマ大統領が交渉中のTPP協定に反対の姿勢に転換している。ルビオ候補も、ファストトラックに賛成だったが、今はTPPにどう投票するか決めていないと述べている。
 財政赤字についての姿勢も、伝統的な共和党主流派の基準から離れつつある。候補者全員が減税を主張しているが、それに伴う赤字について、どの候補もどうまかなうのか詳細に言及していない。
 あるリサーチグループの調べによると、もしトランプ氏の提案を実現すれば、10年間以上にわたり10兆ドルから11兆ドルのコストがかかる。
 共和党員のひとりとして言うなら、問題はトランプ氏が指名を受けるかどうかではなく、共和党とそのブランドに対し彼がどの程度被害を与えるのか、だという意見もある。
 トランプ氏は法人税率を半分にし、15パーセントにすると提案している。TPPは恐ろしい条約であり、背後に中国がいて、背後から協定に参加することになる、と述べている。
 http://www.wsj.com/articles/trump-leaves-trade-mark-on-gop-1455925345
 これは最新の世論調査である。土曜日に投票の始まるサウスカロライナでは依然としてトランプ氏がリードしている。
 支持率は28パーセント。1月の調査から8パーセントポイント低下した。クルーズ候補が支持率を上げており23パーセントに。
 混戦模様の予備選挙だが、
 http://www.wsj.com/articles/donald-trumps-lead-in-south-carolina-narrows-as-conservatives-turn-to-ted-cruz-poll-finds-1455879601?cx_campaign=poptart&mod=cx_poptart#cxrecs_s