英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

米国の新人口動態

 曇り。しかも寒い。
 来年の米国大統領選挙に関する話題である。サンベルト地帯と呼ばれる南部諸州の人口が増えており、大統領選の帰趨を制しそうだ。たとえば、フロリダ州の人口増加はカリフォルニア州を過去10年で初めて上回った。
 一方、中西部や北東の諸州の人口は減少している。理由は移民の動きだ。
 火曜日に公表されたセンサスビューローの統計から判明した。スウィングステートと呼ばれる、大統領選挙の結果を左右する州がどこなのか。その数は増えており、フロリダやノースカロライナアリゾナネヴァダ州などが該当する。
 では、この人口動態の変化は、どちらの政党を利するのであろうか。それは一概には言えない。民主党は、こうした人口動態の変化は自党に有利だとみている。というのも、民主党候補への支持が伝統的に多いマイノリティがこうした州で増えていることを意味しているからだ。
 しかし、2020年以降を見通すと、共和党にとって利点が大きいかもしれない。テキサス州に代表されるいわゆる「赤い州」は、10年に一度の議席調整の年に大量得票を得そうだからだ。
 フロリダ州の新住民の3分の1は移民である。しかも、キューバからの移民がナンバーワンだ。2012年の大統領選挙において、民主党フロリダ州でわずか1パーセントの差で勝利した。今回の人口動態の変化が民主党を利するのか、そう簡単なことではない。フロリダ州に押し寄せた退職者は共和党候補のロムニー氏を協力に支持した。しかし、ヒスパニック系の移民はオバマ氏を支持した。
 2016年において、こうした新住民がどういう投票行動を起こすのか。それは、前知事のジェブ・ブッシュ氏か、ルビオ上院議員のどちらが候補になるのかにもかかっている。
 http://www.wsj.com/articles/sun-soaked-states-see-populations-grow-census-bureau-reports-1450804845
 来年2月のニューハンプシャー州のプライマリーが近づいている。わずか数回しか訪れていないというのに、この地におけるトランプ人気は不動のものとなっている。
 ニューハンプシャー州では5ヶ月連続でトランプ候補が世論調査でトップの地位を保っている。この州の伝統として、候補者は靴の底をすり減らすほどこまめな集会を次から次へとこなさなければならない。しかし、トランプ氏への支持は例外的だった。選挙というゲームのルールが変わり、一つ一つの州をこまめに回る選挙戦から、国家単位の、メディア主導のキャンペーンに変わった。
 ただし、ニューハンプシャー有権者の行動は、直前まで決まらないというのも特徴だ。プライマリーの数日前に彼らは投票行動を決める。
 http://www.wsj.com/articles/donald-trumps-strength-points-to-a-new-dynamic-in-new-hampshire-1450832191