英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

難民の男性と欧州人の女性

 欧州の移民、難民問題について、エコノミスト誌の最新記事である。
 欧州にやってくるなら、難民たちも寛容と性的平等の理念を受け入れ、尊重すべきである、と説いている。
 発端は、トルコ沿岸にアイラン君の遺体が打ち上げられた一枚の写真だった。死をかけて、欧州に難民としてやってくる人々を受け入れようと欧州諸国は決断した。しかし、メルケル首相の決断に欧州全体が関わったわけではなかった。
 難民たちを受け入れる任務を担ったのは、結局ドイツとスウェーデンだった。両国は次第に疲れ果てた。そして、新年のイベントの際にドイツのケルンで起きた集団暴行事件は、ドイツの姿勢を一変させた。
 しかし、ケルンの襲撃事件は、モロッコアルジェリア出身の男たちの仕業であり、シリア出身者でないことが分かっている。
 問題は、豊かでリベラルで世俗的な欧州と、難民たちのやってくる国々との間で文化的な溝があることだ。チュニジアやモロッコの9割の人々は、妻は夫に常に従うべきだと考えている。イラクやヨルダンの人々のうち、女性に離婚の権利があると認めるのは2割程度しかいない。
 しかし、道徳上の混乱に陥るよりも、欧州は難民たちをいかにマネージし、彼らを同化させるかに尽力すべきだ。まずは、彼らに欧州の法律に従うべきだと主張すべきである。ケルンの警察は明らかに性的ハラスメントを防止することに失敗した。人種差別だ、と批判されることを恐れたせいだ。
 http://www.economist.com/news/leaders/21688397-absorb-newcomers-peacefully-europe-must-insist-they-respect-values-such-tolerance-and