英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ドイツのトルコ人

 トルコのクーデタに関連し、米国在住のギュレン氏の引渡し問題が引き続き問題になっている。米国は引渡しの証拠が十分でないと拒み続けている。
 http://www.wsj.com/articles/u-s-not-persuaded-to-extradite-imam-over-turkey-coup-1470357556
 エコノミストの最新号より。カバーストーリーより中東関連の記事の方が興味深い。
 この記事はドイツのトルコ人について。トルコ国内での緊張が高まれば高まるほど、ドイツに逃れるトルコ人が増えるとの予測記事である。
 トルコの政治がドイツ国内に及ぶことは避けなければならないが、7月31日にケルンで4万人の人々が集まり、親エルドガン大統領の集会を開いた。このことは、ドイツの政治家がエルドガン大統領を批判することを難しくすることを意味している。
 トルコを出身地とする人は300万人、ドイツに住んでいる。そのうち半分は再びトルコの市民権を得ており、実際にはトルコは4番目に大きなドイツの選挙区と化している。ドイツにある3000のモスクのうち、2000はトルコ系のものであり、このうち900はトルコ政府の財政支援を受けている。そして、聖職者はトルコから送り出されているのだ。
 トルコとドイツの関係はここ数ヶ月、停滞している。6月にドイツ議会が100年前に起きたトルコのアルメニア人虐殺をジェノサイドと呼んで以来のことだ。そして、ドイツの国会議員がトルコにある部隊を訪問することを禁止した。
 しかし、クーデタが数週間前に起きて以降、事態はより悪化している。エルドガン氏を支持するドイツ国内の声が一層大きくなっているのだ。ギュレン氏の支持者は死の脅迫を受けている。
 メルケル首相にとっても頭の痛い事態となっている。3月に難民問題に関連し、トルコ人のビザなし渡航EU加盟交渉の再開を認めた。しかし、これらの新たな材料は進展がみられない。トルコの政治家たちは難民問題に絡めたこうした交渉のすべてを破棄すべきだと脅している。
 http://www.economist.com/news/europe/21703296-tensions-rise-turkey-they-spill-over-germany-old-faultlines