英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

NSA盗聴スキャンダル

 晴れ。今年もあと2日。
 日本語ではあまりきちんと報じられていないが、いやはや、何ともすごいスキャンダルが年末になって発覚した。
 米国の国家安全保障委員会が、イスラエルの首脳陣と米国議会の議員たちとのプライベートな会話を盗聴していたというのだ。
 2年前、オバマ大統領はこう宣言した。友好国に対する盗聴は抑制していく、と。しかし、その宣言の影で、ホワイトハウスは一定の国々への盗聴を続けていた。リストのトップに挙がっていたのは、イスラエルのネタニヤフ首相だった。
 当時、米国はイランとの間で核開発をめぐり合意しようとしていた。イスラエルはその協議に反対の姿勢であり、彼らの動向を知る必要があった。さらに、NSAイスラエル首脳と米国議会議員や米国のユダヤ系組織とのプライベートな会話も盗聴していた。これは、米国政府が議会に対してスパイ行為をしていたことを意味する。
 このケースをみると、スノーデン事件が思い起こされる。スノーデン氏は2013年におけるNSAの多くのスパイ作戦を暴露した。
 イスラエル以外にもフランスのオランド大統領やドイツのメルケル首相など、NATOメンバー諸国の首脳も盗聴リストに上がっている。ネタニヤフ首相に対しては、国家安全保障目的であることを理由に、オバマ大統領が盗聴を続けることを認めていた。
 この記事は、オバマ政権における数十人の現職あるいは元職の情報機関や政府関係者の証言をもとに作成されている。
 http://www.wsj.com/articles/u-s-spy-net-on-israel-snares-congress-1451425210
 米国では年金問題が、民主党労働組合という長年の蜜月関係にひびを入れている。
 左派系の政治家は最近、公的年金のカットにより一層支持を与える傾向が強まっている。労働組合幹部は反対しているのにも関わらず、だ。とくに、教師や消防士、警察官などの公務員に対する年金を、政府の予算が厳しくなっている中でどのように維持、拡充するのかが争点になっている。
 最新の対立はペンシルバニアで起きた。民主党系のトム・ウルフ知事が、年金削減案に合意したのだ。同州では500億ドルの年金が資金の手当てがついていない。
 知事のスポークスマンによると、知事の狙いは教育支出を増やすことにある、という。
 http://www.wsj.com/articles/states-pension-woes-split-democrats-and-union-allies-1451434368