英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

不平等は不可避か?

 午後になって日差しが戻ってきた。
 スティグリッツ教授。不平等は不可避ではない、と説いている。Pikkety教授は、暴力的なほど極端な冨と所得の偏在は、資本主義に内在的なものだと説く。
 NYタイムズにおいて、スチィグリッツ教授は格差についての連載に関係してきた。CEOは普通の労働者の295倍もの所得があり、その格差は昔と比べて拡大している。北欧の成功事例を人々は聞き飽きているかもしれないが、スウェーデンノルウェーフィンランドにおいては、平等と経済成長をともに実現できている。そこでスティグリッツ教授は問いかける。なぜ、アメリカは、これほど不平等を拡大させるような政策をとるのか、と。
 答えのひとつは、冷戦が終結し、アメリカにとって経済のモデルが存在しなくなったことが大きいという。
 それにしても、Pikkety教授の論考が日本でそれほど騒がれないのは、強烈な富の格差が日本では観察されないからだろうか。欧米では富裕層の豊かさは、暴力的なほどなのかもしれないと感じる。しかし、世界の経済思想の潮流は、Pikkety教授によって、格差縮小、サッチャーレーガン式の自由主義経済信奉から揺り戻しがやってくるかもしれない。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2014/06/inequality-is-not-inevitable.html