これまた格差に関する論議である。
西側社会の多くは、よく知られているように過去20年間で一層不平等度が増した。コンセンサスの解釈によると、この不平等度の拡大は国際貿易のせいではなく、スキルのない労働者よりもスキルのある労働者をシステミックに優遇する技術的な変化のせいである。
しかし、このところこの議論は再び逆方向に戻り始めている。すなわち、貿易が不平等の拡大により影響しているという見方である。
ダボスにとって不幸なことに、グローバリゼーションによる敗者はより貿易に対して敵対心をもつようになっている。
http://economistsview.typepad.com/economistsview/2016/05/the-davos-lie.html
低成長がこのまま続くと、仮にクリントン氏が大統領になった場合、政治にどのような影響を与えるか、考察している。Mark Thoma教授。
まず、共和党による減税の声は一層強くなるだろう。過去の経験からすると、減税を行っても成長するとは限らないことがわかっている。
共和党が議会の上院、下院で多数を維持すれば、減税要求は現実のものとなるだろう。共和党内の相当数の議員は、サプライサイドの、トリクルダウン理論に満足していない。しかし、トランプ氏が候補となれば、この議論はひっくり返される。
さらに、成長が低迷すれば、規制緩和の要求も強くなる。とくに、金融セクターに対する規制が槍玉に挙げられるだろう。
低成長に触発されそうな前向きな議論としては、有能で意のベーティブな移民を世界中から受け入れる議論が高まることだ。
しかし、トランプ氏が表明している外国人嫌いの感情は、こうした移民政策に悪い影響を与えそうだ。
http://www.thefiscaltimes.com/Columns/2016/05/03/How-Slow-Economic-Growth-Could-Thwart-Clinton-Presidency