英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

シュンペーターホテル

 シュンペーターホテルというタイトルで、所得格差と社会の流動性について考察している。
 シュンペーターはあまり不平等について論じることはなかったが、その珍しいケースとして、あるメタファーを使って不平等と社会的な流動性を論じている。
 それはこんな暗喩だ。狭苦しい小さな部屋に入れられた人々が大勢いて、一方で数少ない人が素晴らしい眺望の快適な部屋に入っているホテルである。そして、客は毎晩部屋を交換しなければならないことを想定している。そうなると、今晩のお金持ちは明日には貧乏人になる可能性がある。もちろん、その逆も真なり、である。
 このメタファーは長い間、米国の不平等を表現したものであった。とくに20世紀にそれがあてはまった。不平等は社会の流動性の対価であるとされていた。それは、もちろん、人種間の巨大な格差を見落としているものではあるが・・・。
 しかし今日、この不平等と流動性の関係は当てはまるのだろうか。すなわちアメリカンドリームは生きているのだろうか。
 二次元の座標軸で考えてみよう。
 最新の研究によると、現在と世代間の不平等には非常に強い送還がある。別の言葉でいうと、不平等と低い社会流動性には強い関係がある。
 http://glineq.blogspot.jp/2016/04/the-schumpeter-hotel-income-inequality.html
 Tim Duy教授。イエレンは彼女の任期中、金利をプラスの領域に戻すことがとうとうできなかった議長として、歴史に名を残すことになるかもしれない、と論じている。つまり、日銀やスウェーデンのリクスバンクの後を追いかける展開の可能性が高いという。
 昨年9月の記者会見で、イエレン議長は「われわれは日本やスウェーデンとは違う」と言い切っている。ゼロ金利から出られないのは、極端なテールリスクのケースだといっているが、Duy教授はそうではないと論じている。
 http://economistsview.typepad.com/timduy/2016/04/yellen-pivots-toward-saving-her-legacy.html