英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

サマーズ辞退の余波

 台風一過。快晴である。富士山がよく見える。
 サマーズ辞退に関するニュースの続報。イエレン副議長が現在、バーナンキ後任の最有力候補だと報じられている。今年6月の時点で、オバマ大統領は3人の候補に絞り込んだ。一人はサマーズ氏。そして、イエレン副議長、もう一人は元Fed副議長のコーン氏だった。
 ただ、サマーズ氏が辞退したことで、後継議長選びを最初からやり直すわけではない。これで議長候補のフロントランナーはイエレン副議長となったわけだが、最大のハードルはホワイトハウス内に支持者が少ないことだろう。
 http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324665604579079501712799442.html?mod=WSJAsia_hpp_LEFTTopStories
 サマーズショックの余波が続いている。おおむねマーケットは好感している。日本は祝日だったが、海外の株式、債券市場は金融緩和政策が継続されるサインだとみて、上昇した。
 ただ、この状況は、マーケットが金融緩和政策に過度に依存し過ぎていることの裏返しの現象であるとも言える。議長が誰になるかでマーケットが大きく振幅する状況は異常である。
 http://online.wsj.com/article/SB10001424127887323981304579078433001894464.html?mod=WSJAsia_hpp_LEFTTopStories 
 TimDuy教授。オバマ政権はサマーズ氏への反発を読み違えた、と批判している。Duy教授の意中の候補はイエレン副議長。Duy教授は、イエレン副議長がハト派で、サマーズ氏がタカ派であるという色分けは意味がない、と主張している。どちらの候補も、状況次第でタカ派にもハト派にもなりうるのであるという。
 また、テクノクラティックな観点から言えば、サマーズ氏に期待されていたのは、Fedの現在の政策を新鮮な視点で見直すことだった。この点、現在の政策の立案者でもあるイエレン副議長には限界があると言わざるを得ない。イエレン副議長は2%のインフレ目標政策の支持者でもある。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2013/09/fed-watch-summers-out-yellen-in.html
 オバマ大統領がイエレン副議長をバーナンキ後継者に選ぶべき5つの理由とは?これを読むと、オバマ大統領がサマーズ氏を選ぼうとした理由もわかる。一つは、民主党リベラル派に制約されたくなかった、という心理だ。
 http://www.washingtonpost.com/blogs/wonkblog/wp/2013/09/15/five-reasons-obama-should-name-janet-yellen-to-chair-the-federal-reserve/