英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

コチャラコタ総裁の心変わり

 曇り。南から台風がやってくる。夕方、とうとう雨が降り出した。
 FTトップはXstrataの話題、WSJは中国の薄スキャンダル続報だ。
 「スペインのショッピングリスト」と題するアルファビル投稿。野村証券によるスペイン経済の分析だ。経済回復や不動産価格が安定しない限り、外国人投資家はスペインから逃避し続けたままだという。
 http://ftalphaville.ft.com/blog/2012/09/27/1180971/a-spanish-shopping-list/
 次は、豪州ドル高が続いている背景を分析したもの。鉄鉱石や石炭価格が下落しているのに、豪ドル高なのはなぜなのだろうか。
 一つは、海外からの直接投資資金が流入していること。
 ”The FDI inflows that are funding the current account deficit are the result of investment decisions in the mining sector, not the sort of newsflow which typically drives day to day moves in financial markets.”
 http://ftalphaville.ft.com/blog/2012/09/26/1177871/its-the-fdi-stupid/ 
 ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁が、タカ派からハト派へ鮮やかに変心したのはなぜか。一つにはバーナンキ議長の役割があり、もう一つの要因は、アルゼンチンの38歳の経済学者の役割が大きかったという。
 先週の講演で、コチャラコタ総裁はアルゼンチンのWerning教授の論文を挙げて、非常に重要だ、と述べた。総裁はスピーチの中で、失業率が大幅に減少するまで、金利を低くし続ける強いコミットメントが必要だ、と述べている。
 http://blogs.wsj.com/economics/2012/09/28/another-reason-kocherlakota-changed-his-mind/
 Werning教授のペーパーは次の通り。ゼロ金利制約下で、中央銀行にどんな政策的選択肢があるのか。一つが上述の時間軸政策。時間軸政策という点では一致するが、Werning教授の力点はクルーグマン教授らとは異なる。
 クルーグマン教授は、こうしたコミットメントはインフレを促すために行うのだが、Werning教授は、消費ブームを刺激するため、だという。その結果、インフレを引き起こさずに消費を拡大することができるとしている。
 インフレについてタカ派である信条を崩さずに、金融緩和を支持できる点で、教授の指摘はコチャラコタ総裁の「変心」を理論面から支えたといえる。
 http://dl.dropbox.com/u/125966/zero_bound_2011.pdf