英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

日銀の警告

 久しぶりの更新。体調があまりすぐれない日が続いたが、ようやく回復。健康第一と思い知る。
 今日は久しぶりにテニスの予定。体が動くかどうか。臥せっていた間に、たまっていた雑務も片付ける。

 今朝の日経新聞は、人事の記事が目立つ。日本生命大和證券のトップが交代。三井住友銀行もトップ交替が正式に発表された。時代は移り変わっていく。

 中東は「mideast turmoil」とのキャッチフレーズが付けられ、特集が組まれている。チュニジアに始まり、エジプトやヨルダンにも飛び火した。
 そのエジプト。ムバラク大統領は退陣要請を拒否したが、内閣改造を約束した。30年も続くムバラク独裁政権の退陣がおそらくデモ側のリクエストであり、内閣改造程度では事態は収まらないだろう。夜間の外出禁止令も出されている。
 http://www.ft.com/cms/s/0/e5e3bc10-2adf-11e0-a2f3-00144feab49a.html#axzz1CNtfbVH6
 問題はエジプトに対する西側諸国の対応だ。オバマ政権は毎年15億ドルの軍事協力を見直す考えを示している。民主主義と経済的な機会平等を促進するようムバラク大統領に求めた。また、インターネットや携帯電話のアクセスをエジプト政府が切断したことを非難した。ただ、オバマ大統領はムバラク大統領退陣までは求めなかったようだ。
 ノーベル賞受賞者えだるムハマド・エルバラダイ氏は木曜日に自宅に帰り、抗議活動に参加した。ただ、自宅軟禁されている。
 エジプトの混乱は米国債買いにつながった。原油価格も急騰。北海ブレントは1バレル100ドルを超えた。株価は低迷。
 軍はムバラク大統領に忠誠を誓っているようだ。ただ、軍が暴動をどこまで鎮圧するかは不透明だ。
 人々の怒りは強い。人権団体によると、4日間の抗議活動で1000人以上が逮捕された。
 アラブ世界で最も人口の多い国での暴動は、この地域を震撼させた。この地域は専制政治の国が残り、エジプト暴動が自国に波及しないか恐れている。ヨルダンやイエメン、アルジェリアにも暴動が波及しつつある。

 ゴールドマン・サックスの話題。ブランクファインCEOは株式で1260万ドルの報酬を受け取った。世論による投資銀行の高給批判は後退しつつあることを象徴している。
 http://www.ft.com/cms/s/0/3df57580-2b3d-11e0-a65f-00144feab49a.html#axzz1CNtfbVH6
 ゴールドマンが1999年に上場して以来、トップの報酬を引き上げるのは初めてのことだ。ブランクファイン氏の年間報酬は60万ドルから200万ドルに引き上げられた。ゲーリー・コーン議長の報酬は今年185万ドル。これも60万ドルからの引き上げだ。
 
 米国のQE2の話題。その効果をどう評価するか、という記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/92395d92-2b0f-11e0-a65f-00144feab49a.html#axzz1CNtfbVH6 
 QE2によって影響を受けたのが米国債。予想に反し、価格は低下し、金利は上昇した。QE2による買い取りの中心となったのが5年債。金利は約2倍の2%に上昇した。10年債も上昇し、3.4%に達した。
 ただ、この点についてバーナンキ議長を責めるのは酷である。昨年8月のジャクソンホール講演ですでにQE2について言及しており、Fedの狙いは金利を引き下げることにはなく、デフレスパイラルを避けるため、経済を活性化し、インフレを引き起こすことにあるからだ。
 失業保険の申請件数は低下傾向にあり、金曜日の統計が示すように、経済は高い成長率を保っている。
 Fedは市場におけるデフレへの恐怖を沈静化させた、と評価できる。問題は実質金利だ。
 
 米国の第4四半期GDPが出た。旺盛な個人消費に支えられ、経済の回復ぶりは加速しているかのように見える。しかし、経済は順調に回復しているのか。その評価は難しい。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2011/01/28/was-q4-gdp-weak-or-strong/
 http://www.ft.com/cms/s/0/a623838e-2ae5-11e0-a2f3-00144feab49a.html#axzz1CNtfbVH6
 第4四半期のGDPは、年率換算の季節調整値で3.2%。個人消費の伸びは力強い。だが、貯蓄率が減少しており、貯蓄の取り崩しで消費がまかなわれている可能性がある。
 今週英国のGDPが衝撃を与えたが、それとは対照的な結果となった。英国は厳しい財政再建に取り組んでおり、それが影響した。
 http://www.ft.com/cms/s/0/465193cc-2867-11e0-bfcc-00144feab49a.html#axzz1CNtfbVH6

 最後にマネーサプライより。イスラエル中銀のフィッシャー総裁が警告する短期資金の急速な引き上げのリスク。日銀も同様の警告を行っている。米国の金利が急騰すると、資金がドルへ流れ込む危険性があると警告している。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2011/01/28/fischer-warns-of-capital-flow-reversal/
 http://blogs.ft.com/money-supply/2011/01/17/beware-the-feedback-loop-says-boj/