英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

かわいそうなドイツ

 風がやや強いが、快晴。富士山がくっきり見える。
 穏やかな休日。午後からテニスの予定。

 米国の住宅市場の回復が遅れている。
 http://www.ft.com/cms/s/0/8cca20d2-0dd5-11e0-8b53-00144feabdc0.html#axzz18tgYYhYk
 第3四半期の米国経済は、アナリスト予想より減速しそうだ。住宅市場は引き続き不振。2011年の住宅価格は、不良資産が市場に流入し、約10%下落すると予想されている。住宅市場の回復が弱いので、政治の介入を求める声が高まるかもしれない。金利や元本の減免を認める措置をとらないと、供給が需要を上回る悪循環が数年続く、とモルガンスタンレーエコノミストは警告している。
 11月の住宅販売は5.6%の増加。ただ、1年前と比べると、28%下回っている。
 10月の住宅価格は0.7%上昇した。S&Pのデビッド・ワイス氏は、2010年が住宅市場の底だと思っていたが、もう1年かかるかもしれない、と述べている。
 長期金利の上昇も、借り換えコストが上昇し、住宅市場の逆風になっている。
 こうした住宅市場の弱さにも関わらず、特に厳しい州へ対応を集中させること以外に、オバマ政権は何の手も打とうとしていない。
 
 1週間前と、ちと古い記事だが、Pity Germany、という書き出しで始まるエルエリアンの記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/f0729bb0-0870-11e0-80d9-00144feabdc0.html#axzz18tnd8kjG
 長年のリストラと財政規律の努力によって築かれた経済的な優位性が、欧州周縁国の債務危機によって危機にさらされている。皮肉なことに、これら危機に陥った国々がドイツに次から次へと救済を求めにやってくる。
 今のところ、ドイツは協力的だ。ギリシャアイルランドに対する救済資金の最大の出し手でもある。ECBによる周縁国国債の買取決定も支持している。そうすることによって、ドイツは時間を稼ごうとしている。
 もちろん、ドイツの支援は無条件ではない。浪費家である周縁国の政策修正を迫っている。さらに、2013年からスタートする公的債務調整メカニズム導入にあたって、納税者だけでなく、民間投資家にも負担を求めている。
 問題は、この流動性問題を先に扱い、健全性の問題を後回しにするアプローチは機能していないことだ。
 周縁国に投資の資金が流れないということは、雇用の喪失とより深刻な不況を意味する。そして、財政再建計画の実行をより困難にしてしまい、水曜日にアテネで起きた騒動のような、社会的な不安を招きかねない。
 結果、ドイツにもっと支援に踏み込めという圧力が高まることになる。
 ドイツのバランスシートが、別の国の問題で汚染され続けることを考えると、市場はドイツの財政的な健全性に関心を持たざるを得なくなる。最近の入札において、ドイツ国債金利は、米国債金利より高く跳ね上がった。
 こうしたジレンマにドイツが直面したのは、初めてではない。ベルリンの壁が崩壊し、西ドイツが東ドイツと1対1の為替比率で統合したときだ。このコストを吸収するのに数年かかった。
 なお、アテネ騒動の関連記事はこちら。
 http://www.ft.com/cms/s/0/4a24f05a-0861-11e0-8527-00144feabdc0.html#axzz18trOfJjU