英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

現代金融の紳士録

 今日も晴天。が、日中はコート予約が入らず、夜のテニスに。

 米国の雇用統計。
 http://www.ft.com/cms/s/0/9fecbfb4-feb0-11df-ae87-00144feab49a.html#axzz17DuUYLAo
 非農業者雇用統計の数字が期待を下回った。11月は3万9000人の新規雇用があったが、失業率は上昇した。
 Fed内部のハト派、すなわち量的緩和の規模を6000億ドルから拡大すべきとの意見は継続している、とみる見方が出ている。インフレヘッジの手段として金が引き続き買われ、1トロイオンス1409ドルまで上昇している。
 ドルは円、ユーロ双方に対して安く推移した。2年ものの債券金利は下落し、0.46パーセントに。長期債は来週の入札を控え、上昇した。30年国債金利は6ベーシス上昇し、4.3%に。10年債は3%を超えている。
 銅の価格も上昇している。1ポンドあたり3.99ドルに。米国原油は1バレル89ドルをつけている。
 株価は、米国で相次いでいるプラス材料となる経済指標に支えられている。11月のサービス部門は11ヶ月連続で成長し、ISM指数は、先月55%に上昇し、5月以来の水準をつけた。
 一方、ユーロ周辺国の債務危機問題がユーロ高を招いている。相対的にドル安に振れている。

 Fedによる3.3兆ドルの緊急信用供与によって、米国外の銀行がもっとも恩恵を受けたとの分析が出ている。Fedは世界の金融システムにおけるLLR、つまりレンダー・オブ・ラストリゾートになっているということが証明されたわけだ。 
 http://www.ft.com/cms/s/0/4dd95e42-fd6d-11df-a049-00144feab49a.html#axzz17E3bIir6
 一方、英国のバークレイズやスイスのUBS,ベルギーのデクシアなどの金融機関が、有利な条件で米国当局からドル融資を受けられたことについて、批判も出ている。
 たとえば、バークレイズはTAFを利用した最大の銀行であり、破綻したリーマン・ブラザーズの米国拠点を買い受けた。
 また、Fedが創設したCP買い取りファシリティ向けにCPを売った最大の銀行はUBSだった。このCPFFを活用した上位10社は欧州の銀行である。

 水曜日にFedが公表した膨大な資料についての記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/8a5e3ac4-fd89-11df-a049-00144feab49a.html#axzz17E5DqKMo
 議会の命令に応じて、Fedは、3兆30000億ドルを供給した2万1000以上の取引の詳細を公表した。短期の資金供給が世界の金融システムにとって生命線であったことを示している。
 大はシティグループやGEから、小はドイツのランデスバンケンまで、6つのFedのプログラムを利用したリストは、現代金融の紳士録ともいえる。