英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

スペイン

 5月にこのブログを始めて以来、初めてこんなに更新を怠っていた。久しぶりの更新になる。
この間、アイルランド問題が急速に深刻化した。朝鮮半島でもあわや、という砲撃事件が発生し、国内では政治の迷走が続いている。
 また、私事でもいろんな出来事があった。今日は風邪気味で、テニスも休んで家の中でゴロゴロ。
 初心に帰ろう。そう決意を新たにして深夜の更新。

 欧州のソブリン危機が続く。スペインの挑戦。
 http://www.ft.com/cms/s/0/af827eac-f990-11df-9e29-00144feab49a.html#axzz16UvYa1c3
 欧州の銀行の株価は激しく下落している。アイルランドの銀行に関する最優先保護の債券保有者でも損失計上を迫られるという思惑からだ。金融システム全体に問題が波及しつつある。
 RBSとロイズ銀行グループはアイルランドに最も高いエクスポージャー保有しているが、金曜日の株価はそれぞれ下落した。スペインのサンタンデールも、株価が下落。アイルランドに子会社を持つベルギーのKBCも下落した。
 欧州の債務危機の焦点はスペインとポルトガルに移りつつある。850億ユーロのアイルランド支援策が公表される前に、両国の借り入れコストは上昇した。
 スペインのサパテロ首相は、スペインに救済は必要ないと強調し、スペインの破綻に賭ける(空売りをしかける)投資家に対して、損をすることになると警告した。
 市場関係者によると、債券の償還期限を延長することが法的に可能か、話し合いが行われているようだ。しかし、欧州の高官は、最優先の債券投資家に損失を負担させるような話は出ていないと、否定している。
 S&Pは、アイルランドの銀行の長期クレジット格付けを引き下げた。また、アビバやアリアンツのような保険会社のアイルランドにある子会社について、格下げリスクがあると警告している。
 アングロアイリッシュ銀行とアライドアイリッシュ銀行のCDSは、50%(!)も上昇している。
 スペインの10年国債金利は、今週末に50ベーシスも上昇した。ポルトガル金利は7%近くになっている。これはほとんど持続不可能だとみられる水準だ。

 英国の財政再建に関する続報。欧州のソブリン危機が、英国の財政再建の取り組みにどのような影響を与えるのか、注目される。
 http://www.ft.com/cms/s/0/019a77d0-f99b-11df-9e29-00144feab49a.html#axzz16UzhURVS
 オズボーン財務相による財政赤字削減プログラムを支持するため、独立の予算監視機関が新しく設置される。
 来週月曜日に、その見通しが公表される。2010年の成長率は、1.2%の当初見通しを引き上げ、1.8%近くになる見通しだ。これは、来るべき消費税の引き上げ(20%)に備え、消費者の駆け込み需要が起きたせいだ。代わりに、2011年の成長率の予測は、2.3%より低くなりそうだ。
 また、今年の成長率が高めに出ることで、税収が増え、2010〜11年予算年度に予定していた1490億ポンドの国債発行は低く抑えられそうだ。100億ポンドほど少なくて済むとの予測が出ている。
 もし、欧州のソブリン危機のようなことが起きていなければ、オズボーン財務相はOBRのアドバイスに耳を傾ける時間がとれただろう。
 
 そのアイルランドの続報。
 http://www.ft.com/cms/s/0/b577c9f8-f953-11df-a4a5-00144feab49a.html#axzz16V2Ke7Js
 日曜日に、850億ユーロにのぼるアイルランド救済策が公表される。
 資金支援は9年間のローンで、3年だったギリシャ支援策と異なる。EU−IMFローンに対し、6.7%の金利を支払う、という報道は間違っていると、同国のリャン情報相は否定した。ただ、ギリシャの支援策の借り入れコストより高いことについて否定しなかった。ギリシャの場合は5%だった。
 こうした混乱は、政治の混乱も引き起こしている。12月7日に予定されているbudget voteに与党が勝てるかどうかが焦点だ。