英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ストレステスト

 今日は曇り。久しぶりにテニスのない週末だ。今晩はいよいよ強豪オランダとのW杯サッカーが開催される。

 FT電子版より。IMFのストロスカーンがスペインに対する投資家(マーケット)の不安沈静化に努めているとの記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/b26ee5a2-7b0e-11df-8935-00144feabdc0.html
 氏はスペインを昨日(金曜日)訪問し、サパテロ首相との会見に臨んだ。ドイツメディアの報道で、ギリシャに次いでスペインが、件の7500億ユーロ支援パッケージの利用国になるとの観測打消しに躍起になっている。
 だが、ストロスカーンの訪問自体、スペイン救済策の話し合いがテーマになっていると見られてしまう。
 スペイン金融機関のマネーマーケットのアクセスも厳しい状況が続いている。
 このところ、域内の金融機関に対するストレステストの是非も話題になっている。いまのところ、テストの結果を公表する方向性のようだ。

 域内の26銀行のテスト結果を来月に公表することで、EU首脳が合意した。
 http://www.ft.com/cms/s/0/32b9658c-7afd-11df-8935-00144feabdc0,s01=1.html
 しかし、それ以下の金融機関の扱いは未定。むしろ、金融システムの弱い環は、これら中小金融機関にあると言え、その信認回復には困難が伴う。銀行ごとに結果が公表されるのか、テストの信頼性などテストの詳細にも疑念が残る。ストレステストの結果公表を銀行に強要できるのか、法的な疑義もあるようだ。セカンドTierの銀行へ焦点が当たる可能性が高い。
 首脳の合意に伴い、株価、債券、為替の各相場は上昇した。

 一方の英国は、ここ数十年でもっとも厳しい財政緊縮策に踏み切ろうとしている。その額は年に500億ポンドの削減。一方、厳しい財政緊縮策は、経済成長の妨げになる。
 それにしても、わが国の財政赤字、公的債務の巨額さを眺めると、なんと日本の議論は緩いことか。消費税10%というだけで、猛烈な世論の反発が起こる。しかし、1000兆円になんなんとする借金は、自分の子供世代を含めて、税金を原資に返していかなければいけない。

 http://www.ft.com/cms/s/0/4ba03ae6-7b19-11df-8935-00144feabdc0.html 
 この記事は、病院が廃止され、大学の研究所が閉鎖され、就職プログラムがなくなる。債務危機が現実化した英国のうら寂しい(bleak)財政の帰結を示している。債務削減の規模は850億ポンド。1560億ポンドの財政赤字を5年かけてなくしていく。
 英国より状況が深刻なはずの日本には、もっと厳しい未来が待ち受けているのではないか。
 英国の財政緊縮策を取り仕切るのは、6週間前に財務相に就いたばかりのオズボーン氏。若干39歳。ここにも彼我の違いがある。