欧州銀の間で、カウンターパーティリスクが再び意識され始めた。2008年のリーマンショック時になぞらえて、危機再来が喧伝されている。ギリシャでは死者3人を出す暴動に発展した。
EuriborのOIS金利に対するスプレッドは、35ベーシス近くに跳ね上がっている。
http://www.ft.com/cms/s/0/0be6616e-586e-11df-9921-00144feab49a.html#
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ギリシャ国債の保有高が多い銀行として名前が挙げられているのは、フォルティス、デクシア、ソシエテ・ジェネラル、BNPパリバ、ING、バークレイズ、ドイツ銀行の7銀行。
ギリシャ、スペイン、ポルトガルの債務リストラを想定し、ユーロエリアの銀行への影響がどの程度なのかが語られている。フランスとドイツの金融機関だけで、800億ユーロ(1030億㌦)のギリシャ国債を保有しているという(5月5日FT電子版)。
また、スペインやギリシャの(中小)銀行では、もはや短期市場で資金調達はできなくなっているという。このまま危機が深まると、銀行取付騒ぎを通じて銀行破たんの恐れがある。
金融政策ユニオンだけでなく、財政的なユニオンに変化しないと、ユーロ分裂の危機があるという。ECBはユーロ圏の国債を買い入れる量的緩和政策に踏み切らざるを得ないとの観測も出ている。中央銀行のLLR機能発動が期待されている。
クルーグマンは5月5日付けのコラムで、ギリシャの債務リストラが云々されていることについて触れ、「ギリシャ(国債)が結局デフォルトになる、というのはあまりに楽観的な見方であり、ギリシャのユーロ離脱もありうる」と予測している。ここでユーロ離脱とは、為替調整(devaluation)の意である。国民が一致して労働コストを引き下げて輸出を増やし、経済を拡大させる必要があるが、ギリシャの現下の情勢をみるに、それは不可能であり、通貨切り下げによる競争力の回復しかないというのだ。
http://krugman.blogs.nytimes.com/2010/05/05/greek-end-game/
しかし、ユーロ離脱は銀行破たんという副作用を引き起こす。
通常考えられないことをやらざるを得ないということか。