英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

逆風とともに去りぬ

 米国の生産性がなぜ減速しているのか。その背景には6つのパターンがあるという。ティム・テイラー教授の分析。
 冒頭紹介されるのは、IMFのペーパー。名作をもじった、洒落たタイトルがつけられている。マッキンゼーも、米国の生産性成長に着目し、「生産性の謎」というペーパーを公表している。
 しかし、テイラー教授にとっては、生産性の減速の要因は、まだはっきりしないとしている。
 マッキンゼーレポートが挙げている6つの要素がある。
 生産性を分子と分母に分解すると、今回の低迷は分子、すなわち付加価値生産性の低迷の要素が大きい。
 興味深いのは2番目の指摘。経済は低生産性のセクターにシフトしている。すなわち、高生産性の製造業から、ヘルスケアや管理部門、サポートサービスなどの低生産性のセクターにシフトしている。
 http://conversableeconomist.blogspot.jp/2017/04/six-patterns-behind-us-productivity.html 
 原典はこちら。
 生活水準を左右するキードライバーである生産性の成長率は、世界金融危機後、急激に落ち込んだ。そして、危機後も低迷したままである。生産性がなぜ落ち込んだままなのか、それは危機の遺産が残っていることと、構造的な逆風が吹いていることを反映している。
 先進国経済においては、生産性の履歴効果が残っている。その背景には、バランスシートの脆弱さ、長期化する需要の弱さと不確実性の高まりがある。その結果、設備投資が弱まり、生産性を低下させ、所得見通しを弱める悪循環を生んでいる。
 https://www.imf.org/en/Publications/Staff-Discussion-Notes/Issues/2017/04/03/Gone-with-the-Headwinds-Global-Productivity-44758