英字紙ウォッチング

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新しい財政政策

 財政政策とその適用に関する新しい見解について。CEAのファーマン議長による投稿である。
 財政政策に関する論議の風景は、過去10年間で大きく変わった。それは学界や国際組織において、財政政策は効果的でないという古い見方からの転換である。このコラムでは米国と欧州の例をとり、財政政策に関する新たな見解について、5つの原則に焦点を当てる。新たな見解によると、拡張的な財政政策は低金利、低成長、国際的なリンケージが強まる中で、ますます効果的であることを示す。
 10年前は、学界における財政政策の見解は、次の4点に集約される。それはつまり、①裁量的な財政政策は経済安定化ツールとして金融政策に支配される。それは適用のラグなどがあるからだ。②もし政策当局者がタイミングを適切に実施したとしても、裁量的な財政刺激策は効果的でないか、悪い副作用がある。これはリカーディアン的な考えに基づく。③さらに、財政安定化は不安とともに薦められる必要がある。④そして、政策当局者は前出の①を無視しがちである。
 今日、グローバル危機後の低迷が長引き、危機後の8年間の経験から古い財政政策ビューが転換しようとしている。
 新しい財政政策は5つの特徴がある。
 一つは、財政政策は金融政策を補完する形で、景気循環に対して効果的な政策である。ゼロ金利制約などに近づき、金融政策の限界に達する中、こうした見解が広まっている。しかも、この実質金利の低迷は一時的なものでも新しいものでもなさそうだからだ。金利の低下トレンドは実は1980年代から始まっている。
 http://voxeu.org/article/new-view-fiscal-policy-and-its-application