英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

マルコスの記憶

 晴れ。台風が到来しているというのに、まだ天気は崩れていない。
 トルコがシリアに新たに侵攻を始めた。イスラム国を追放した後、今度はトルコが入り込んだ。2回目の侵攻となる。米軍はイスラム国を追放するには必要なステップだとみなしている。
 砲撃による支援を受けたトルコの武装部隊は国境を越えて、シリアのアルライ市にはいった。5月にイスラム国の手に落ちた国境沿いの町である。いつこの作戦がスタートし、どの程度の抵抗があったのかは明らかにされていない。
 http://www.wsj.com/articles/turkey-launches-fresh-incursion-into-syria-1472911575
 フィリピンのドゥテルテ大統領のやっていることは、かつての独裁者マルコス大統領の記憶を呼びさます。
 彼が追放されるまで、マルコス元大統領が殺害したり、刑務所に送ったり、拷問をしたのは10万人を超えた。歴史家はそう記している。
 今や、ドゥトルテ大統領がマルコスの神話を再び復活させようとしている。マニラにある国家英雄墓地に彼の遺体を移そうとしているのだ。これに対し、市民の反対の声が激しく持ち上がっている。
 この話題は、ドゥトルテ大統領が麻薬戦争において、2000人の人を2ヶ月間で殺害した後に持ち上がった。そうすることで、ドゥトルテ大統領は、自身を強いリーダーに投影している。「ドゥトルテはマルコスを偶像化しているようにみえる」との声が上院議員の中からあがる。ドゥトルテ大統領には権威主義的な傾向があることで共通しているのだという。
 ドゥトルテ大統領の提案は米国にとってもリスクを孕む。米国の親密な同盟国であり、中国のアジア太平洋地域における脅威の増大がある中において、だ。来週、オバマ大統領はラオスのサミットでドゥトルテ大統領と面談する。米国務省はフィリピン大使をワシントンに呼び、殺害について関心を寄せていることを表明する。
 http://www.wsj.com/articles/strongmans-legacy-stirs-passions-in-the-philippines-1472856476