英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

英議員銃撃

 晴れ。今日は暑くなりそうだ。
 英国の国会議員が銃撃され、死亡した。この事件はブレグジットをめぐる議論や世間の反応を大きく変えることになるだろう。
 労働党議員で、ブレグジットに反対の主張をしていた。この事件がどんな影響をもたらすのだろうか。
 この襲撃は来週の国民投票を中止させようという試みだった。死亡した41歳のジョー・コックス議員は2人の子どもを持つ母親。52歳の容疑者が逮捕された。近所の人によると、容疑者はボランティアの庭師で、世捨て人と近所の人はみなしていた。
 事件の背景は明らかになっていないが、単独犯とみられている。
 http://www.wsj.com/articles/u-k-lawmaker-injured-after-incident-in-parliamentary-constituency-1466085309
 銃撃事件後のマーケットの反応である。英ポンドとユーロは上昇し、金と国債は売られた。市場は冷徹である。人が死亡した事件と、マーケットの価格の上げ下げをつなげて論じているのは、なんとも不謹慎である。2人の幼い子どもは母親を失い、議会はライジングスターを失った。
 しかし、市場が重要なのは、道徳観念がない(amoral)ことだ。それは反道徳的(immoral)だということではない。もちろん、金融危機の際には、多くの悪行が水面下で行われたことは事実であるが。
 市場は木曜日の朝、ブレグジットがあるかもしれない懸念から大きく下げた。そして、事件のニュースが伝わる前、少し値を戻し、コックス議員の死亡が宣言された後、ポンドとユーロは上昇した。
 皮肉なことに、コックス議員が亡くなったことで、英国の有権者は欧州にとどまることを確信し、ブレグジットに対する投資家の懸念を回避させることになった。コックス議員は水曜日にはテムズ川を家族とともに小型ボートに乗り、ブレグジット反対のキャンペーンを行っていた。
 事件後、国民投票が延期されるとの噂が流れている。
 コックス議員は英国残留のシンボルになるかもしれない。マーケットは最初に反応し、あとで後悔する。コックス議員の死亡は残留キャンペーンにとって重要な役割を果たすだろう。
 http://www.wsj.com/articles/after-jo-coxs-killing-a-heartless-but-necessary-market-assessment-1466111163
 最新のエコノミスト誌はもちろんブレグジットEU離脱は英国だけでなく、欧州にも悪影響を与えると論じている。
 機嫌悪くキャンペーンを行うと、危機に瀕しているものの重要性を見失ってしまう。世論調査ではEU離脱の可能性が高まっているが、離脱は英国の政治経済に長く続く悪影響を与えかねない。欧州の残された国々にとっても、EUでもっとも大きい国のひとつが離脱することは深い傷を負わされることになる。
 EU離脱派が呪文のように唱えているのは、リベラリズムだ。
 自由主義の観点から離脱を主張する人々は幻想を振りまいている。
 http://www.economist.com/news/leaders/21700637-vote-leave-european-union-would-diminish-both-britain-and-europe-divided-we-fall