英字紙ウォッチング

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瀬戸際のメイ首相

 晴れ。

 英国のテリーザ・メイ首相がブレグジットをめぐる重要な投票において、屈辱的な敗北を期する可能性が高まっている。ユーロ懐疑派である保守党の議員らが、首相を辱めると脅し、英国の欧州との将来の関係は疑わしいものになっている。

 メイ首相は彼女の交渉についてもう一度よく見るよう議員らに求めた。そして、保守党のブレグジット派に対し、この交渉を拒否すれば、ブレグジットそのものも失われると警告した。11時間に及ぶEU首脳との外交交渉とともに、メイ首相はこうアピールしたが、雰囲気を変えるには至らなかった。メイ首相への支持は650議席のうち、100票程度にとどまる見通しである。

 ダウニング街では、今にも災厄が起こりそうだとの雰囲気が高まっている。

 投票後、メイ首相は声明文を即座に発表すると見られている。そして、アイルランドのバックストップが一時的なものであることを確認する、法的に拘束力のある妥協をするためにブリュッセルには再度戻らないことを約束する。

 ある政府高官は、メイ首相は英国が3月29日に合意なきブレグジットを行わないことを宣言せよとの圧力にさらされているという。これは世論や経済界からそういう警告が盛り上がっているからだ。EU離脱自体を遅らせよ、との圧力も高まっている。

 一方、労働党のコービン党首は総選挙に打って出るよう、信任投票を求める考えである。メイ首相率いる保守党はDUPと協働し、信任投票には勝利できる見通しだが、メイ首相のブレグジット計画が挫折することで、政治的な混乱が生じる可能性が高い。

 しかし、Eう側は英国のブレグジット計画の条件について、大きな修正をする考えはない。

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