英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

職業訓練は意味がない

 FTが夏休みの読書特集を組んでいる。気になったのは、フランシス・フクヤマが進めている米国の官僚の実態に関する本。「Bring Back the Bureaucrats」。米国ではフルタイムの連邦政府官僚の数が1960年代と比べて大きく減っているという。その一方、彼らの消化する予算の金額は5倍に増えている。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/2/bd4a767c-1b99-11e5-8201-cbdb03d71480.html
 やはりここへきて増えているのは、現状がバブルではないかという考察だ。これは株式バブルと債務バブルの違いを考察している。後者は金融システムにダメージを与え、経済を危険にさらす。株式バブルよりも、だ。
 クレジットバブルが金融システムを破壊するという考えは、マクロ経済学の中核的な考えだ。
 http://www.bloombergview.com/articles/2015-06-26/the-reason-debt-bubbles-are-worse-than-stock-bubbles
 貧困層向けの職業訓練は意味がない、という主張。2002年から2012年まで、世界銀行とそのクライアントである政府が投資した貧困者や失業者向けのスキルトレーニングプログラムは、総額90億ドルにのぼるという。しかし、これだけの資金をつぎ込んでも、雇用を生まなかったし、貧困も減らすことができなかった。たしかにこれらのプログラムは貧困者を傷つけることはなかった。しかし、企業やトレイナーを利するだけで、全体では損失となったに過ぎない。
 http://chrisblattman.com/2015/06/25/dear-governments-and-aid-agencies-please-stop-hurting-poor-people-with-your-skills-training-programs/