英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ヘリコプターマネーはなぜ禁じられているか

 Simon Wren-Lewis教授によるヘリコプターマネーの考察。なぜヘリコプターマネーが禁じられているかというと、それは経済が回復したときに、売る資産がないからだ。
 ここで、ヘリコプターマネーとは、独立した中央銀行が引き受けることによる財政刺激策を指す。ヘリコプターマネーはゼロ金利制約のもとで、単なるQEと異なり、経済を刺激する効果を持つ。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2015/02/helicopter-money-and-the-government-of-central-bank-nightmares.html
 このGavyn Daviesの投稿も興味深い。Fedのグローバルな責任と題する論考だ。今年後半、Fedが利上げに踏み切ると、グローバルな金融レジームが大きくシフトするという。
 一昨年5月のバーナンキ発言によって債券イールドが大きく動いたことを引くまでもなく、Fedの利上げによってマーケットが過剰反応する可能性は否定できない。
 今のところ、先進国経済に過剰なレバレッジがかかっているわけでもない。規制当局も過剰なくらい警戒している。それもこれも、サブプライムブームの失敗の反省からきている。
 しかし、新興国市場のリスクは先進国経済より大きい。金融的なアクシデントが起こりやすい状況になっている。特に、2010年から急拡大してきた新興国社債市場は警戒を要する。
 http://blogs.ft.com/gavyndavies/2015/02/22/the-feds-global-responsibilities/?