晴れ。穏やかな朝。すっかり秋めいてきた。
欧州の難民問題。多くの難民がドイツに向かう中、ドイツ政府は国境で難民の書類チェックを始めた。今週末には4万人の難民がドイツに入国するとみられる。今後ドイツに入国する難民は、書類が必要になるという。ドイツ政府は治安を理由にしているが、「国境の開放」という欧州統合の理念が問われる局面だ。
この書類チェックの手続きがうまくいかないと、オーストリア国境地帯で多くの難民が滞留してしまうリスクがある。
この書類なしに欧州域内を自由に行き来できる権利は、1985年のシェンゲン条約に規定されている。しかし、今回の難民危機はこのシェンゲン条約を揺るがそうとしている。
http://www.wsj.com/articles/germany-needs-help-to-deal-with-migrant-crisis-cabinet-minister-says-1442155684
Fedの教訓と題した記事。Fedが7年ぶりに利上げに臨もうとしている中、1ダースを越える世界各国の中央銀行が政策金利を上げたままにしようとしている。それは欧州中央銀行をはじめ、スウェーデン、イスラエル、カナダ、韓国、オーストラリア、チリなどだ。これらの国の中央銀行は金利を高いまま据え置いている。
Fedは9月に利上げに踏み切らないかもしれないが、今後3年間は利上げモードが続くだろう。しかし、過去の歴史を振り返ると、各国経済は協調するようにはいかないものだ。中央銀行のユーターンは過去に歴史がなかったわけではない。
象徴的なのは、スタンレー・フィッシャー副議長が総裁を務めていたイスラエルの例。2009年当時、イスラエル中央銀行は金利を0・5パーセント引き上げた。2011年までに3・25パーセントにまで金利は上昇したのだ。
しかし、フィッシャー退任後、後任総裁は0・1パーセントまで段階的に金利を引き下げている。
http://www.wsj.com/articles/lesson-for-fed-higher-interest-rates-havent-been-sticking-1442167699
Gavyn Daviesのコラムより。
ここ数ヶ月、中央銀行が金融緩和から脱却する中で、新たなファクターが浮上してきた。それは新興国市場からの資本流出だ。その結果、新興国の外貨準備高が急速に減少している。新興国の中央銀行が為替レートを安定させるために、為替介入に踏み切っているからだ。
外貨準備の多くは、先進国の国債で運用されていた。最近の為替介入の結果、先進国国債の売りを招来している。一種「量的緊縮」というべき現象が起きているのだ。その結果、グローバルな資産価格に大きな影響を与えている。
日銀と欧州中央銀行が行っている大規模な量的緩和は、この新興国中央銀行による為替介入によって相殺されている。もしかすると、日銀などが量的緩和を拡大するかもしれない。しかし、それは持続的なものではない。
http://blogs.ft.com/gavyndavies/2015/09/13/will-emerging-economies-cause-global-quantitative-tightening/