英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

インフレーション・ヒステリア

 晴れ。
 混迷の度を深めるイラク情勢について。米国のケリー国務長官イラク首脳、マリキ首相と会談した。即座に、すべての勢力を包含する新たなリーダーを選ぶよう求めた。バグダッドの米国大使館は厳戒警備のようだ。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/68ae7e22-faa4-11e3-8959-00144feab7de.html?siteedition=intl#axzz35PkCT6tk
 米国の物価指数についてのCRの考察。アトランタ連銀のシニアエコノミストの投稿に反応してのもの。
 http://www.calculatedriskblog.com/2014/06/feds-mike-bryan-torturing-cpi-data.html
 インフレーション・ヒステリアと題するTimDuy教授の投稿。ウォールストリートはヒステリーのようにインフレーションにとらわれている、と。
 先週起きたことを整理すると、2つある。一つはコアCPIが2009年以来、最大の伸びを記録したこと。もう一つは、イエレン議長が記者会見の中で、このCPIの伸びはノイズに過ぎず、最近の失業率の下落は労働市場の真の姿を映し出したものではない、と述べたことだ。つまり、イエレン議長は最近の経済指標を信じていないが、ウォールストリートはこれらの指標に素直に反応している、というギャップが存在する。それゆえ、Fedはいわゆる「ビハインド・ザ・カーブ」なのではないかという。
 グラフではコアCPIとコアPCEを比較している。ターゲットである2%に対し、コアCPIは上回って推移することが多いが、コアPCEのほうはそうではない。
 問題は労働市場のスラックである。過剰なスラックがあるゆえに、賃金上昇率が鈍くなっている。これがあるがゆえに、消費を促さず、収入や所得も伸びず、それが悪循環となって、企業の投資も伸びてこない。これが重要であるという。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2014/06/fed-watch-inflation-hysteria.html
 Simon-Wren-Lewis教授のコメント。
 http://mainlymacro.blogspot.jp/2014/06/real-wages-monetary-policy-and.html