英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

サマーズの険しい道のり

 三連休の初日。後半は台風襲来で荒れ模様。
 日経新聞が次期Fed議長にサマーズ氏が有力、との記事を載せている。しかし、米紙の見立ては異なるようだ。外国メディアが当該国のメディアより早く、政権中枢の人事をスクープするのは極めて珍しいことだろう。さて、日経記事はスクープなのか、それとも誤報なのか…。
 WSJによると、民主党の有力上院議員の一人が金曜日、サマーズ氏に反対票を投じる意思を表明した。サマーズ議長が実現するには、上院銀行委員会の承認が必要だが、その道のりは険しくなりつつある、という。
 上院議員が反対する理由の一つが、サマーズ氏が「a consensus-builder」でないこと。そして、サマーズ氏が金融市場の規制緩和を進めるような行動をとってきた過去にも注目しているという。
 今回、民主党の有力議員がサマーズ氏に反対の意見表明を行ったことは、オバマ大統領と議会上院との隙間風を感じさせる出来事でもある。エコノミストや学会でもサマーズ氏の人気ははっきり言って、ない。
 オバマ大統領はサマーズ氏を支持していると言われるが、大統領にとってサマーズ氏を起用することにどれだけメリットがあるのか、英字紙を読んでいても今一つ伝わってこない点だ。どこかの国で起きたように、中央銀行のトップというのは、専門家集団が好ましいと考える人物よりも、政治の意向で決められる、ということか。まあ、当たり前と言えば、当たり前のことなのだろうが。
 http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324755104579073292714655318.html?mod=WSJASIA_hps_LEFTTopWhatNews
 FT紙も「サマーズ議長」には上院という障害がある、と報じている。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/ac945e32-1cb9-11e3-8894-00144feab7de.html?siteedition=intl#axzz2erbydBzX