英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ゼロ金利制約

 金融危機以降、ゼロ金利制約の持つ意味について、経済学者は考察を重ねてきた。
 経済がゼロ金利政策を抱え、貯蓄が過剰なままで、失業率が高止まりしているとき、何ができるか。
 クルーグマン教授は、その時こそ財政政策が有効である、と説く。政府は貯蓄主体から資金を借り入れ、経済に必要な追加需要を供給できる。ゼロ金利制約下においては、クラウディングアウトは起きない、などなど。
 これに対し、スタンフォード大のホール氏は、問題の核心を指摘している。潜在的Fedはインフレ率を引き上げることによって、実質金利を引き下げ、経済に有効なインパクトを与えることができうるという。つまり、ほんの少しインフレを起こすことで、労働市場に多大な好影響を与えることができる。それゆえ、合理的な中央銀行はインフレをもう少し起こそうとする。 
 にも関わらず、Fedは過度に注意深いのではなく、インフレに対して無力なのだと結論づけるエコノミストが多いのはなぜなのだろうか。
http://www.economist.com/blogs/freeexchange/2012/01/monetary-policy
 http://economistsview.typepad.com/timduy/2012/01/ultimately-inflation-holds-back-the-federal-reserve.html