英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ユーロのインフレ

 曇り。
 FT電子版トップは、福島第一原発の亀裂の話題だ。
 http://www.ft.com/cms/s/0/9d7b6070-5d40-11e0-a008-00144feab49a.html#axzz1IHLfKgyh
 施設から漏れ出る放射線の値は、1時間あたり1000ミリシーベルト。この量は、一度に浴びると深刻な症状をもたらし、累積的に浴びても、5%の確率でがんを引き起こすと信じられている。
 一方、東電の将来についても議論が過熱するとも報じられている。

 ちょっと古いが、S&Pがポルトガルを格下げした記事。ジャンク債一方手前、トリプルBマイナスの格付け水準にまで下がった。同国政府の緊縮財政プランが議会で否決され、ソクラテス首相が辞任した。
 http://www.ft.com/cms/s/0/ac78e304-5a1b-11e0-ba8d-00144feab49a,dwp_uuid=79cadde4-5c1b-11df-95f9-00144feab49a.html#axzz1IHLfKgyh
 ちなみに、ギリシャはダブルBマイナス。 ポルトガルの格下げ理由は、EUの救済ファンドの金融支援を求めざるを得ない可能性を反映しているという。その場合、民間投資家は損害を受ける可能性がある。
 ポルトガルの10年債金利は、初めて8%を超えた。ギリシャのそれは12.7%(!)。アイルランドは10.12%だ。
 スペインの金利は影響を受けていない。
 EU首脳の間では、国のデフォルトを秩序だってコントロールしようと、2013年7月以降、民間投資家にも一定の負担を求める条項を設けることで合意した。また、恒久的な救済ファンドも創設する。
 仮に、国債がデフォルトした場合、救済ファンドの債権者の地位が民間債権者より優先するという。

 ユーロ圏では一方、インフレも進行している。
 http://www.ft.com/cms/s/0/7a7c5eb2-5b7e-11e0-b965-00144feab49a.html#axzz1IHLfKgyh
 3月の物価上昇率は2.6%で、予想を上回った。ドイツでは失業率が低下し、来週4月7日のECB理事会では過去3年間で初めて、利上げが検討課題にのぼりそうだ。
 2月の物価上昇率は2.4%。現行の政策金利は1%で、これを0.25%引き上げる案が有力だ。
 ECBが懸念しているのは、食料やエネルギー価格高騰によるインフレ率の上昇が深く根付き、賃金などの上昇に波及することだ。ドイツの化学工業労働者55万人は木曜日に、4.1%の賃上げを求めることで合意した。
 ドイツの失業率は7.1%で、1990年のドイツ統一以来、最低の水準だ。