英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

アイルランド

 今日は日差しが強かった。9月というのに日焼けをしてしまった。95回目。

 アイルランド債券市場の安定化のためにECBが乗り出したとの記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/c20be1b0-c283-11df-956e-00144feab49a.html
 英銀が、アイルランドが数十億ユーロの支援を求めているというレポートを出したことを受け、ECBが安定化に乗り出した。アイルランドの2年債金利は50ベーシスも上昇し、CDSは記録的な水準に上昇した。アイルランド国債の売りは、ユーロ圏の債券市場の脆弱さを象徴している。
 ただ、ECBの介入は数千万ユーロと小規模だった。
 レポートを出したのはバークレイズ・キャピタル。レポートを受け、アイルランドの支援が必要だと思っていないというIMFのコメントを引き出すまでになった。
 アイルランド政府は今週(?)火曜日に、4年と8年物の債券を発行する予定で、投資家のセンチメントを試すことになる。投資家の中には、アイルランド債の買い手はいない、という指摘もある。ポルトガルアイルランドと同様、投資家の人気がない。
 バークレイズのレポートと対照的なのが、クレディ・スイスのレポートだ。
 市場の不安に拍車をかけているのが、政治家の体たらく。首相が酔っ払ってラジオインタビューに出演したようだ。
 アイルランド債の金利は5日連続で上昇している。ポルトガル金利も3日連続で上昇。もはや周縁国に分類されていないスペインは安定している。
 
 金融緩和懸念から、金の価格が最高値をつけたとの記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/1fcc41a8-c28b-11df-956e-00144feab49a.html
 現在、1トロイオンス1280ドル。ロシアとアジアの中央銀行が今年、金の純購入主体になりそうであることが背景にある。彼らは過去20年は純売却主体だった。
 日本の為替介入は、新たな量的緩和と受け止められている。来週はFOMCが開かれ、金融政策変更の可能性がある。これが金価格の追い風になりそうだ。

 マネーサプライをまとめてチェック。
 上記のアイルランド関連。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/09/17/ireland-struggles-in-markets-as-cds-at-record/
 2年もの金利は3・63%。CDSは425ベーシス。

 クリーブランドFedのインフレ予想に関するレポート。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/09/17/inflation-below-2-for-thirty-years/#more-65566
 今後10年のインフレ予想は1・54%に低下したという。最新の調査によると、今後30年間、インフレは2%を下回り続けるという。

 8月に副総裁を退任した元Fedのコーン副総裁が何度か講演する予定。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/09/17/don-kohn-talks/
 ただ、9月21日の次回FOMCより後の予定。この点がグリーンスパン元議長と異なる。

 ドイツのブンデスバンク総裁、ウェーバー氏と並び、トリシェ総裁の後任候補の1人と目されているイタリア中銀のドラギ総裁に関する記事。手に負えない銀行に厳しく対処せよ、という発言は、ドラギ氏のタカ派的側面を示す証左であるとしている。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/09/16/draghi-reveals-his-hawkish-side/
 いわゆるSIFIsを槍玉に挙げている。破綻させたリーマンのケースは最後である、とドラギ総裁は言う。
 ただ、ドラギ氏の強硬姿勢がECB総裁として可能かというと事はそう簡単ではない。

 英国中銀が、量的緩和策から信用緩和策に切り替えるかもしれない、という話題。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/09/17/will-the-boe-import-qe2-from-the-us/
 率直な物言いで知られるMPCメンバーのアダム・ポーゼン氏の発言として報道されている。ただ、BOEウォッチャーからすると、この発言は驚きではない。