英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

Fedのジレンマ

 今日も暑い。こう暑い日が続くと、疲労が蓄積してくる。
 
 一日の仕事が終わって、夜に更新。今日は本当に暑かった。
 BOEの金融政策委員会について。木曜日に会合を開き、金融政策に変更はなく、政策金利は0.5%に据え置き。2%というターゲットインフレ率を1%超えているのに、利上げをするほどインフレーションは懸念されないとした。エコノミストの関心は来週水曜日のインフレーションレポートに移っている。しかし、キング総裁がいうように、回復は「long haul」(長い道のり)だ。
 http://www.ft.com/cms/s/0/1322bb60-a073-11df-a669-00144feabdc0.html

 ECBの政策委員会の記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/eccd4f14-a06f-11df-a669-00144feabdc0.html
 ECBも政策金利を変えず、1%に据え置き。15ヶ月連続になる。徐々にインフレ率が高まりつつあるが、7月は1.7%で、ECBのターゲットとする2%を下回っている。加盟16カ国の経済回復力は弱く、インフレはコントロール下にある。市場も2011年まで利上げはないと見ている。
 ECBは政策金利をあまり変えないのが伝統であるようだ。
 FEDは、経済を刺激する次の手の選択肢を用意しているのに対し、ECBの次の一手は金融引き締めだとみられている。ECBはデフレをあまり関心を持っていないように見える(The eurozone’s monetary guardian has voiced little concern about deflation in continental Europe)。

 マーケット関連の記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/5ddf9586-a061-11df-a669-00144feabdc0.html
 米国の失業保険申請(jobless claims)は、予想より高かった。それを受けて、円ドル取引はボラタイルな動き。米経済の先行き不安とより一層の金融緩和予測から円が買われた。
 ECBは国債買い入れプログラムの継続を決め、BOEも量的緩和を継続。
 債券市場の話題としては、日本国債が水曜日(4日)に1.05%をつけた後、5日は4ベーシスほど上昇した。スペインの35億ユーロ、3年債の入札は無事終了。金利は前回の入札から大きく下がった。前回は3.32%だったのに対し、今回は。2.28%。ギリシャポルトガル金利も低下。

 次はマネーサプライより。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/08/05/greece-set-for-second-tranche-payment/
 ギリシャが欧州・IMF救済策の第二弾を受けるという記事。金額は90億ユーロ。5月の第一弾200億ユーロに続き、二回目となる。7月26日から8月までミッション団がアテネを訪れており、視察の結果第二弾が認められたようだ。
 金融市場へのアクセスは依然としてギリシャにとって重要なチャレンジ(a key challenge)であり続けている。いまのところ短期市場へのアクセスはできている。

 円高で為替介入の話が台頭しているという記事。 
 http://www.ft.com/cms/s/0/dbbb4a20-9ff0-11df-8cc5-00144feabdc0.html
 野田財務大臣の発言の微妙な変化をとらえて、そういう観測を読み取っている。ただ、BOEやECBの政策会合、米国失業データに関心が移り、円は若干円安に戻る。
 
 Fedのジレンマについて。今日最も興味を引かれた記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/7f1c4d2e-9ff4-11df-8cc5-00144feabdc0.html
 昔は、米国の消費者の消費を喚起するには、住宅ローンの金利を下げればよかった。しかし、いまは経済統計を見る限り、二番底懸念が出ている。市場は一層の金融緩和を期待しつつある。
 短期金利はゼロ近傍なので、量的緩和によって長期金利を引き下げる手がある。来週、QE2と呼ばれる、量的緩和第二弾が期待されている。
 アナリストはファニーメイやフレディーマックの債務の半分はリファイナンスできないと予測している。金額は2.5兆ドル。与信審査も厳しくなっている。