英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ブラード総裁

 今日も雨だ。風も強い。
 FT紙は、米銀が安い調達に走っていると伝えている。
 http://www.ft.com/cms/s/0/4c68466e-9b3d-11df-baaf-00144feab49a.html
 投資家は、歴史的な低金利で負債の調達をしようとしており、銀行はその恩恵を受けている。USバンコープが5年債で10億ドル調達した。金利は2.45パーセントで、同行にとって最も安いコストだった。
 米国債金利が非常に低く、投資家はより高いリターンを求めている。最近の金融機関決算や規制動向もこうした動きに追い討ちをかけている。

 ベアー・スターンズAIG救済のために投入した資金に会計上の利益(paper profit、未実現の利益、unrealised gains)が出ているというFedのレポートについて。なかなか興味深い記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/309310ce-9b68-11df-8239-00144feab49a.html
 FedはベアーとAIG救済のために、3つのビークル(Maiden Lane Ⅰ〜Ⅲ)を使って資金を投入、「証券」という形で資産を保有している。この証券は一時有毒資産と呼ばれたが、いまは108億ドルの「含み益」(証券の市場価値と投入額との差)が出ているという。
 AIG救済に使われたⅡとⅢはすでにいくらかの利益が出ていたが、今回ベアーに使われたⅠ(300億ドル)が黒字に転じたという。黒字化の原因は、RMBSと商業用不動産融資の上昇だ。
 流動性がないため、実際には、Fedがマーケットでこれら証券を売却することは難しいが、理論上は、ビークルがこれらの証券を売って、Fedがビークルに融資した6年から10年満期の資金が返済できるという。FedはⅠからⅢ号に720億ドルを融資した。

 以下はマネーサプライから。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/07/30/bullard-the-hawkish-radical/
 an inflation hawkとして知られるセントルイス連銀のブラード総裁の話。もし経済がこれ以上悪化した場合、Fedは何をすべきかについて。
 ブラード総裁は、もしこれ以上金融緩和をするなら、資産買い取りをすべきだと言っている。金利をこれ以上低く、長期間にわたって維持するなら、日本型のデフレに陥る危険性があるからだという。