英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

米国のインフレの帰趨

 快晴。

 米国のインフレ。IMFのゴピナート氏はまだコーナーを曲がっていない、と述べた。Fedに対し、今年も利上げ路線を続けるよう求めた。

 米国のインフレはまだコーナーを曲がっておらず、インフレとの闘いに勝利宣言をするのはまだ早すぎるという。FTとのインタビューの中で、IMFのゴピナート氏は今年も利上げを進めるべきであると述べた。

 https://www.ft.com/content/4f4e0b97-697a-4a51-8ef9-f0068d27fa62

 木曜日の米国株は下げとなった。

 https://www.wsj.com/articles/global-stocks-markets-dow-update-01-05-2023-11672919677?mod=markets_lead_pos1

強まる米国議会の分断

 快晴。

 米国議会の分断が深刻になっている。トランプ氏の介入にも関わらず、ケビン・マッカーシー氏の議長就任は6度目の投票でもならなかった。トランプ氏は共和党内の団結を訴えたが、手詰まりを打破できなかった。米下院議長の選出をめぐる争いである。

 マッカーシー氏の下院議長になるという夢は急速に遠のきつつある。カリフォルニア州選出の下院議員は歴史的な6度目の投票でも選出されなかった。共和党内で彼に対する反発が依然として根強いからだ。

 https://www.ft.com/content/8db7bcf4-0012-4586-a818-3bce9d3aedf5

台湾危機の焦点は2024年

 2023年がどうなるか。FTの記者が選んだ論点。

 まず、2022年の予想の多くは間違っていた。1つはロシアによるウクライナ侵攻。合理的には侵攻はないとみていたが、悲しいことにこの予想は外れた。これについて、2023年の停戦はないだろうという悲観的な見通しがある。

 もしロシアが天然ガスの供給を絞れば、欧州は停電に見舞われるだろうという予測もある。同時に2023年は中国による台湾侵攻の可能性を議論しなければならない。

 気候変動問題については、2023年に一時的に1.5度上昇を経験することになるのか、というと、それはそうならないと予想する。

 Fedによる利下げは2023年中にはない、というのが見立てである。ECBによる利上げの最終到達点も予想よりも高く、その結果、リセッションの可能性と量的縮小が周縁国の国債金利を押し上げることになるだろう。

 バイデン氏が次の大統領選に出馬するか否か。これはイエス。年齢は障害にならないという。

 これに対し、トランプ氏が訴追されるか。これはイエス。少なくとも4つの起訴論点があるという。

 中国による台湾侵攻、もしくは封鎖はあるのか。これはノー。いつの日か、習氏が台湾侵攻を決断する日は来るだろうが、それはおそらく2023年ではないという。もしその決断に至れば、米国との戦争は避けられず、権力を失い、永遠に中国の将来にダメージを与えることになるだろう。侵攻ではなく、封鎖はより可能性がある。その点、2024年の台湾大統領選が次の危機の焦点となる。

 日本のYCCも焦点になる。生き残るかというとイエス。マイナス金利も残る。

 https://www.ft.com/content/9784cc74-1193-4e1b-bf61-8ecaf19f569e

年金の流動性リスク

 快晴。

 OECDが年金基金に対し、流動性リスクを警告している。金利が上昇し、株価も下荒くすると、退職後のスキームが一変する危険性があるという。

 年金基金流動性のあまり高くない資産に投資しているが、その際は非常に注意深くあるべきだと警告している。金利が上昇し、株価が下落すると、即座に流動性にアクセスする必要が出てくるからだ。

 最近は低金利が続いており、年金基金はその資金をオルタナティブ投資と呼ばれる分野に注いでいる。インフラプロジェクトやプライベート・エクイティなどの分野である。それは国債の低金利から逃れようという試みであった。

 しかし、こうした投資は往々にして流動性が低い。それはすなわち、もし必要な時に現金に換えるのに時間がかかるということだ。過去10年間、そうした流動性が必要なケースというのはほんのわずかしかなかったが、英国で10月に起きた年金危機は、急速な金利上昇がこうした事情を変化させるということを示している。

 投資戦略において、流動性の問題は非常に重要である。

 https://www.ft.com/content/145b2294-ca5f-4c1d-96c2-d47b20497126

日銀、連日の国債買い入れオペの波紋

 日銀の連日の国債買い入れオペについて。3日間連続で予定にない国債買い入れを行った。YCCを調整した後の動きである。

 日本銀行はスケジュールにない国債買い入れを続けている。国債利回りの上昇を受け、それをコントロールしようという試みである。投機家らは超金融緩和政策から転換することに賭けている。

 金曜日に日銀が行った国債買い入れは3日間連続となった。12月の国債買い入れ総額は17兆円にのぼった。

 こうした動きは12月20日に驚きの決定を行ったことにより、こうした努力が強まっている。日銀は世界で残る唯一、超金融緩和政策に固執している中央銀行である。12月の決定の結果、イールドはカーブ全般に上昇圧力がかかっている。

 10年国債を対象に、予定されている毎日の国債買い入れオペに加え、金曜日の日銀のオペは1年債から25年債まで、幅広い年限の国債に買い入れ対象が広がった。合計で1兆円を買い入れた。

 マーケットは12月のYCCに関する決定に素早く反応し、日銀がYCC体制を手じまいするサインだと受け止めている。しかし、日銀の方は、今回の措置は市場機能を改善させ、金融緩和策を強化するものだという姿勢を断固として変えようとしていない。

 しかし、債券トレーダーらは、日銀の公式声明と日本国債市場との間にはっきりとした断層があると指摘している。

 12月に日銀がなぜ動いたのか。背景には、黒田総裁が政府から圧力をかけられたのではないかという説がある。

 https://www.ft.com/content/e6013acc-e17c-468f-a5b7-012f22525b24

欧州のインフレ事情

 曇り。

 欧州のインフレ事情。スペインのインフレは予想を上回り、5.8%に落ち着いている。ユーロ圏全体で物価上昇圧力が弱まるのではないかとの期待が高まっている。

 スペインの12月のインフレが減速してきた。スペインの消費者物価は5.8%の上昇だった。11月は6.8%だったので、減速している。スペインの物価指数はユーロ圏では初めての発表となる。

 もしスペインのようにユーロ圏諸国でインフレが落ち着くのであれば、ECBの担当者は利上げのペースを緩めるかもしれない。

 ドイツのデータは火曜日に公表される。10%だったインフレ率が9%台に減速すると見込まれている。同じくイタリアの物価上昇圧力も穏やかになったのではないかとみられている。ユーロ圏全体の物価上昇率は一桁に落ち着くとみられている。

 エコノミストの予想によると、12月の物価上昇率は9.7%。11月が10.1%だったので、これがどうなるか。来週金曜日に公表される。

 ユーロ圏のいくつかの国において、総合インフレ率は減速しつつあるが、物価上昇圧力はグズグズと残っている。スペインのコアインフレ率は6.9%と、11月の6.3%と比べて加速した。この数値は2003年以降でもっとも高い。

 バークレイズのエコノミストは、サービス価格がまだ力強い動きを見せていると分析する。その結果、2023年は総合インフレ率とコアインフレ率の「分離」が大きなテーマになるという。

 高まるインフレ圧力に直面し、ECBは2022年に合計2.5%ポイントほど利上げを行った。マイナス0.5%だった政策金利をプラス2%まで引き上げた。インフレ率のピークは10月で、それは10.6%だった。

 ECBの次回会合は2月2日に予定されている。ラガルド総裁は12月の会合後、次回は0.5%ポイントの利上げの可能性が高いと述べた。しかし、予想よりも物価上昇率が低いとすると、来年早々の利上げ幅は0.25%の可能性が出てきた。

 スペインの副首相は今回の物価指数は非常にポジティブだ、と述べた。

 https://www.ft.com/content/15b5c8ba-bbd9-4b96-862a-cc73c41b92aa