英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

モルスタ、Eトレードを買収

 快晴。

 モルガン・スタンレーがEトレードを買収する。130億ドルの巨額取引である。米国におけるウェルスマネジメント領域の競争が激化しそうだ。

 狙いは、株式を取引するミレニアル世代の取り込み。今回の買収は、金融危機以降としては最大、モルガンスタンレーにとっては過去2番目に大きな取引である。ライバルのゴールドマンサックスも、ウェルスマネジメント分野の強化を進めている。また、昨年11月には、ライバルであるチャールズ・シュワブとTDアメリトレードの合併が起きている。

 Eトレードは520万以上の顧客を抱え、アセットは3600億ドルにのぼる。モルガンスタンレーはこれまで、スミスバーニーを2009年に買収し、2.7兆ドルの運用資産を抱えている。

 ただ、ゴーマンCEOは、今回の買収の狙いは単により大きくなることを狙ったものではない、とする。むしろ、戦略が欲しかったというのだ。

 買収により、今後3年以内に4億ドルのコスト削減が可能になる。また、モルガンスタンレー自身の資金調達コストも減らすことができる。さらには、職場向けに株式プランを管理運用するプラットフォームも手に入れることができる。

 https://www.ft.com/content/600b1100-53df-11ea-8841-482eed0038b1

鴻海を襲うコロナウイルス

 晴れ。

 コロナウイルスがアイフォン生産に影響しつつある。アップル最大の工場へ従業員が返ってこないのだ。

 春節後、生産はフル稼働に戻らず、コロナウイルスによって人の動きが制限されたことが大きい。コロナウイルスによるショックがアップルの業績に与える影響も懸念される。

 フォックスコンの組み立て工場は、20万人以上の従業員を抱えている。しかし、鴻海の工場は複数の挑戦にさらされている。

 https://www.ft.com/content/fc68eaca-521f-11ea-8841-482eed0038b1

新ビジョンファンド

 晴れ。

 ソフトバンクのビジョンファンドの責任者、ラジーブ・ミシュラ氏が新しいヘッジファンド式のファンドを立ち上げたことが判明した。規模は数十億ドル規模で、世界最大のテック投資家の中における緊張が高まっている。

 ミシュラ氏が立ち上げようとしているファンドは、上場企業に対し複雑な取引をしかけるファンドだ。このファンドにはアブダビのSWFムバダラなどが出資する。

 https://www.ft.com/content/9cc5ecf2-4f3c-11ea-95a0-43d18ec715f5

ブルームバーグ「影響力の帝国」

 雨。

 アメリカの大統領選。ブルームバーグ氏は数十億ドルを影響力を拡大するためにつぎ込んでいる。彼がいかに「影響力の帝国」を築き上げたのか。

 2018年の秋、民主党の女性団体「エミリーズ・リスト」はジレンマに直面していた。この時期は議会選挙が近づき、最高裁判所の裁判官にセクシャル・ハラスメントが批判されていたブレット・カバノー氏が指名されるかという問題が持ち上がっていた。女性団体はニューヨークで資金調達の昼食会を計画していた。

 予定していたスピーカーの一人に、元市長のマイケル・ブルームバーグ氏がいた。彼は過去数年間にわたって、この団体に600億ドルを寄付していたのだ。

 昼食会の前にブルームバーグ氏はニューヨークタイムズにあいまいなコメントを出していた。ミートゥー運動には懐疑の声をあげていたのだ。その結果、ブルームバーグ氏の招待を答えることを真剣に検討した。

 結局、ブルームバーグ氏を排除するリスクを冒すことはなく、9月24日にブルームバーグ氏は昼食会に出席した。そして、彼は「私は女性候補を支援するために、これまでよりいっそうの資金を供給する」と宣言した。

 これは無駄な約束ではない。ブルームバーグ氏は民主党候補が下院でコントロール力を回復するのに、1億ドル以上の資金を使った。中間選挙で彼が支持し、当選した21人の候補のうち、6人が女性だった。

 そして今、エミリーズリストのような団体は、民主党の大統領候補として立っているブルームバーグ氏を選ぶのかどうか問われてている。結局、ブルームバーグ氏には民主党員たちを立ち止まらせる、さまざまな人物像や記録がある。ブルームバーグ氏はもともとは共和党員で、民主党には2018年に入党した。

 警察権の行使やビジネスに関する規制、学校の選択などについて、より保守的な立場をとってきたが、進歩的な結果を支持するような複雑な立場をとっていた。

 https://www.nytimes.com/interactive/2020/02/15/us/politics/michael-bloomberg-spending.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage