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ブルームバーグ「影響力の帝国」

 雨。

 アメリカの大統領選。ブルームバーグ氏は数十億ドルを影響力を拡大するためにつぎ込んでいる。彼がいかに「影響力の帝国」を築き上げたのか。

 2018年の秋、民主党の女性団体「エミリーズ・リスト」はジレンマに直面していた。この時期は議会選挙が近づき、最高裁判所の裁判官にセクシャル・ハラスメントが批判されていたブレット・カバノー氏が指名されるかという問題が持ち上がっていた。女性団体はニューヨークで資金調達の昼食会を計画していた。

 予定していたスピーカーの一人に、元市長のマイケル・ブルームバーグ氏がいた。彼は過去数年間にわたって、この団体に600億ドルを寄付していたのだ。

 昼食会の前にブルームバーグ氏はニューヨークタイムズにあいまいなコメントを出していた。ミートゥー運動には懐疑の声をあげていたのだ。その結果、ブルームバーグ氏の招待を答えることを真剣に検討した。

 結局、ブルームバーグ氏を排除するリスクを冒すことはなく、9月24日にブルームバーグ氏は昼食会に出席した。そして、彼は「私は女性候補を支援するために、これまでよりいっそうの資金を供給する」と宣言した。

 これは無駄な約束ではない。ブルームバーグ氏は民主党候補が下院でコントロール力を回復するのに、1億ドル以上の資金を使った。中間選挙で彼が支持し、当選した21人の候補のうち、6人が女性だった。

 そして今、エミリーズリストのような団体は、民主党の大統領候補として立っているブルームバーグ氏を選ぶのかどうか問われてている。結局、ブルームバーグ氏には民主党員たちを立ち止まらせる、さまざまな人物像や記録がある。ブルームバーグ氏はもともとは共和党員で、民主党には2018年に入党した。

 警察権の行使やビジネスに関する規制、学校の選択などについて、より保守的な立場をとってきたが、進歩的な結果を支持するような複雑な立場をとっていた。

 https://www.nytimes.com/interactive/2020/02/15/us/politics/michael-bloomberg-spending.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage