英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

サンダース氏への不安

 雨。

 民主党の大統領選。サンダース氏の躍進が民主党のリーダーたちを不安にさせている。もしサンダース氏が民主党の大統領候補になれば、1972年以降でもっとも反体制的な候補が指名されることになるからだ。

 https://www.ft.com/content/d38e6b52-4d24-11ea-95a0-43d18ec715f5

 これも似たような記事。中道派候補で結集できずに、サンダース氏優勢となることを懸念し、代案としてマイケル・ブルームバーグ氏を支持する動きもあるという。民主党の混迷が深まっている。

 https://www.nytimes.com/2020/02/12/us/politics/democrats-new-hampshire-sanders.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

「ニューハンプシャー後」を狙え

 晴れ。

 ニューハンプシャー州予備選挙。サンダース氏とブティジェッジ氏がトップ争いを続けている。肘をつつきあうような戦いはすでに第三の場所で行われている。それ以外の候補者たちは火曜日の夜の世論調査後、選挙運動を続けている。

 勢いを失いつつある兆候が見える中、バイデン候補とウォーレン候補はともに、ニューハンプシャーで力強い結果を出せることを祈って戦いを続けている。しかし、世論調査が締め切られる前に、両陣営は選挙戦からおりる可能性を示唆し始めている。

 まず、バイデン氏はニューハンプシャーの結果が出る前にサウスカロライナ州に移動すると発表した。この地域はアフリカ系アメリカ人が多く、バイデン氏にとって復活を見込むことができる。

 同時にウォーレン氏も、その選挙参謀ニューハンプシャー後をにらんだ動きを始めた。

 両氏の苦闘は、アミ―・クロブシャ―氏の躍進を証明している。氏はミネソタ州上院議員で、先週のアイオワ州の党員集会ではバイデン氏の後塵を拝したが、先週の討論会で力強くアピールし、新聞各紙は穏健派の旗頭として評価を高めている。

 https://www.ft.com/content/fe58cccc-4c4f-11ea-95a0-43d18ec715f5

混迷する民主党候補選び

 ニューヨークタイムズより。アメリカ大統領選。

 通常はニューハンプシャー予備選挙が候補者をえり分ける場となるが、今年はいつもの年とは異なるようだ。ニューハンプシャーの後も、5人ほどの候補者が残り続ける可能性があり、選挙戦は長引くとの展望が語られている。

 民主党の大統領候補者たちは月曜日、お互いに最後の時間を費やして対立候補の攻撃を加速させた。このことは、民主党内の左派と中道の深い対立を示している。

 しかし、アイオワ州における泥沼のような結果をめぐる衝突も続いている。サンダース上院議員とブティジェッジ前市長はともに、先週の集計のやり直しを求めている。

 5人の候補者のほか、2人の自分で選挙費用を賄える億万長者が加わり、民主党の選挙戦は混迷の度を増している。多くの民主党員は、火曜日の投票が終われば、ニューハンプシャーの有名な独立有権者が帰趨をはっきりさせてくれると期待している。しかし、最近の世論調査をみると、サンダース氏とブティジェッジ氏がトップを争い、3人のその他の候補が態度を決めていない有権者の票を得ようと、3位の地位を争っている。

 そして、サンダース氏らはネバダサウスカロライナ、さらには3月のスーパーチューズデーに向けた選挙計画を開始している。

 https://www.nytimes.com/2020/02/10/us/politics/new-hampshire-democrats.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

チェルノブイリ・モーメント

 快晴。

 中国の習近平主席は、ロシアのチェルノブイリのような局面に直面している。独裁政治の愚かしさを、コロナウイルス危機は見事に露呈させた。

 中国の歴史を通じて、帝国の治世は王朝交代制と呼ばれるサイクルがあると信じられてきた。力強く、中国全土を統合した指導者は、帝国を打ち立て、繁栄するが、次第に衰退し、天命を失い、次の王朝に治世を投げ出すというものだ。

 似たようなサイクルが欧州においても存在する。王朝が交代する際に天命だとされるのが、自然災害や飢饉、疫病や侵略、武装蜂起などもその兆候だとされる。

 中国の習主席も2012年に権力を得て以降、古代からの伝統と信念に基づいて復活しようとしている。

 しかし、彼自身は王朝交代説や天命ということに言及することを避けているように見える。昨年以降、中国にとって最大の貿易相手国との紛争や香港における氾濫、豚コレラの流行による豚肉の不足など、伝統的には不吉な予兆とされる出来事が次から次へと起き、王朝の終焉は近いと思われた。しかし、こうした出来事も、今回のコロナウイルスの大流行と比べれば、色あせてみえるほどだ。

 歴史を振り返ると、武漢清王朝が倒された1911年の革命が最初に起きた土地である。そして、実に6000万人の人々が隔離されようとしている。

 そして、中国の権威主義的な政治システムが、特に公衆衛生上の危機に迅速かつ透明性のある形で対処するのに不適切であることを露呈した。もし今後数週間のうちにコロナウイルスが封じ込められれば、習氏は危機を地方幹部のせいにすることで、相対的に無傷で済むだろう。しかし、ウイルスを迅速に封じ込められなければ、中国にとってチェルノブイリの時と同じような危機が襲うだろう。

 https://www.ft.com/content/6f7fdbae-4b3b-11ea-95a0-43d18ec715f5

中国は経済活動を再開できるか

 曇り。

 中国はコロナウイルスの大流行にも関わらず、経済活動を再開しようとしている。多くの企業が感染症の流行が広がる恐れの中、活動再開を遅らせようとしている。

 月曜日になっても、多くの中国企業はまだ閉鎖したままでいる。中国政府は世界第2位の経済活動を再開しようとしているにも関わらずだ。

 中国政府は航空機のような、国にとって重大な産業について、活動をできるだけ早期に再開させるよう促している。そして、大半の地方政府において、春節を10日間延期した後、地方企業を月曜日に再開させるべく求めている。

 北京や上海をはじめとした多くの都市では、自宅から出て人々に働くことを再開するよう促している。しかし、アリババのような大企業では休暇時期を2月16日かそれ以降まで延期している。アップルのアイフォンを製造している鴻海も工場の操業再開を延期している。

 中国北東部の都市では、休暇をもう2週間とるよう求められている。

 中国におけるコロナウイルスの死者は週末に815人まで増えた。すでに774人が死亡したSARSを超えている。

 このウイルスは世界経済に衝撃波をもたらしている。金融市場を揺るがし、サプライチェーンが断絶の危機にある。フィアットクライスラーは先週、欧州における生産を停止せざるを得ないかもしれないと警告した。中国からいくつかの部品が供給されない恐れがあるためだ。一方、銅や原油、ガス価格は下落している。

 ウイルスの流行により、中国政府が今年計画していた6%の経済成長を達成できない恐れも出てきた。中国がアメリカから購入している製品や商品も減少するかもしれない。

 https://www.ft.com/content/87eb4f62-4b3f-11ea-95a0-43d18ec715f5