英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

M&Aブーム

 M&Aブームが示すのは、クレジットサイクルがピークに近づいているという恐れである。いわば終わりの始まりである。
 先週、ブラックストーンはトムソン・ロイターに関する170億ドルの取引をまとめた。ブラックストーンにとって金融危機以降でもっとも大きな取引だったが、今回の取引が成功するか否かは、あまり潤沢でない支援者によっている。ローンと債券の投資家だ。
 これら投資家のジレンマは、3500億ドル以上にのぼる取引が、米国の株価が記録的高値となり、大幅減税が行われるという背景に対抗する必要があるからだ。クレジットサイクルはピークをつけている兆候である。
 金融的なレバレッジは伝統的に、クレジットサイクルの終わりに利用されることがある、という指摘が出ている。
 ブラックストーンの取引は140億ドルのレバレッジドローンと、高金利債券に依存している。ドクターペッパースナップルもJABホールディングスによる買収に応じたが、これも債券とローンに頼っている。こうした買収にともなう債券は、通常の債券より魅力的な金利がついているが、投資家の疑問はリスクに見合うリターンがあるのかどうか、ということだ。投資家が要求するプレミアムは2007年以降最低水準にまで低下している。
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