フィリップスカーブは死んだのか。ダラス連銀より。結論は有用である、としている。
インフレの動きはフィリップスカーブのモデルでうまくとらえられているのか、それとも、この思考の枠組みは時を追うにつれ、妥当性を失いつつあるのだろうか。米国の経験から示唆されるのは、物価と失業率の短期のトレードオフ関係は低下しており、ややフラット化していることだ。たとえば、金融危機以降、PCEコア指数と失業率の相関関係は、マイナス0・09ポイントからマイナス0・07ポイントへ若干低下している。
しかし、この低下は統計的にはあまり重大ではない。賃金と物価に関するフィリップスカーブが示唆する動学的見通しによると、現在のインフレ率はそのモデルの推計値に近い。このことは、現在の低インフレはけっして驚くべきことではなく、グローバリゼーションやイーコマース活動の活発化、米国の人口の高齢化や企業の寡占化、NAIRUの計測ミスなどの要素もそれほど重要ではない、ということだ。
フィリップスカーブは依然として有用であり、不正確ではあるものの、インフレ率を理解するうえで有用なフレームワークである。
https://www.dallasfed.org/research/papers/2018/wp1801
低金利の新側面。
http://libertystreeteconomics.newyorkfed.org/2018/02/a-new-perspective-on-low-interest-rates.html