英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ゴールドマン政権

 快晴。久しぶりに朝ゆっくりする。
 白人低所得層の支持を受けて当選したトランプ氏だが、その新政権閣僚の顔ぶれは、癒着と金の匂いがプンプンする。支持者たちに、だまされた、との悔しさはないのだろうか。
 ゴールドマン・サックスのナンバー2、ヘイリー・コーン氏がシニア経済アドバイザーに選ばれる見通しとなった。ゴールドマンという会社からみれば、ブランクファイン氏が10年にわたってCEOを努めており、彼はコーン氏らより若い世代の引き上げを考えている。
 コーン氏はゴールドマンでCOOの地位にある。コーン氏光景に上がっているのは、投資銀行部門のトップ、デビッド・ソロモン氏と、CFOのハーベイ・シュワルツ氏。ソロモン氏は54歳で、長らくゴールドマンにおける主流部門の投資銀行部門でトップを勤めてきた。
 元ジャンク債のセールスマンだったが、1999年にゴールドマンに参画。ガラガラ声と帝国のようなマネージメントスタイルによって、部門を引っ張ってきた。そして、たびたびコーン氏と衝突した。
 一方、52歳のシュワルツ氏は2013年からCFOを勤めている。元は証券部門の出身で、トレーダーというよりセールスマンタイプだ。ゴールドマンの主流派と異なり、ルトガー大学の出身者で、最初のキャリアはウォールストリートのエリートとは程遠いところから始めた。
 ゴールドマンのトップに求められる役割は、銀行家とトレーダーの間を行ったり来たりする傾向にあった。権力は、どちらのビジネスが上昇基調にあるかによった。ブランクファイン氏はトレード部門のトップから駆け上がった。その前任のポールソン氏は投資銀行部門出身だった。
 過去数年間は、歴史的なM&Aブームと新たな規制によって投資銀行部門が権力を握った。しかし、M&Aブームは減速の兆しがあり、規制緩和はトランプ氏登場によって再び現実のものになりそうだ。
 http://www.wsj.com/articles/who-will-succeed-gary-cohn-at-goldman-sachs-1481314437
 まだ決まっていなかった国務長官ポストには、エクソンのCEO、レックス・ティラソン氏が就く見通しとなった。
 2012年の共和党大統領候補だったミット・ロムニー氏は何度かトランプ氏と話し合いを持っていた。しかし、ティラソン氏は企業トップとしての経験を外交に活かせると判断したようだ。来週にも正式に発表する。
 ティラソン氏は64歳で、仕事柄、数多くの世界のリーダーたちと付き合ってきた経験を活かせそうだ。とくに、ロシアのプーチン大統領との関係は緊密である。2011年にエクソンはロシアとエネルギーパートナーシップ交渉を行った。
 トランプ氏はロシアとの関係を緊密にしたいとの意向を持っている。しかし、多くの共和党関係者はトランプ氏に対し、ロシアと緊密に動くことは注意すべきだと述べている。ウクライナやシリアにおける米国の利益が阻害される危険性がある。
 ティラソン氏が選ばれると、エクソンにとって利益相反の懸念が浮上する。エクソンは6大大陸において、石油とガス開発を進めており、操業中の国は50カ国以上にのぼる。
 オバマ政権と欧州同盟国はロシアに対して経済制裁を2014年に行っている。クリミア併合に伴う措置だ。また、オバマ政権はクレムリンに対し、東部ウクライナの軍事活動を支援しているとして批判も行っている。ティラソン氏はロシア制裁に反対の意見を公にしている。
 企業経営者を国務長官に選ぶのは前例がないわけではない。レーガン大統領時代に、ベクテルの副社長だったジョージ・シュルツ氏が選ばれたことがある。
 http://www.wsj.com/articles/exxons-rex-tillerson-is-top-candidate-for-secretary-of-state-1481318464