英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

台湾ゲート

 晴れ。穏やかな週末。
 就任前というのに、トランプ氏の周辺から汚職の匂いがプンプン匂ってくる。
 トランプ-蔡会談に関する続報である。会談のニュースが流れた後、台湾への投資の可能性についてのレポートが出回ったが、トランプ氏の会社は台湾投資の計画がないとコメントしている。しかし、こうした政治とビジネスの癒着が取りざたされること自体、尋常ではない。
 トランプ氏と蔡氏の電話会談のニュースが流れた後、トランプ氏が台湾で投資する可能性があるとのレポートがネットで流れた。トランプ財団の代表は、「トランプホテルを代表して、開発のために台湾を訪問する予定はない」と述べた。
 先月、台湾メディアは、台湾北部の都市の市長が、トランプ財団の関係者が都市を訪れ、国際空港近くにおいてホテル開発の可能性があるかどうか調査したと述べたと報じている。WSJは関係者の証言をたどり、プロジェクトの詳細はまだゼロに近いとの証言を得ている。
 http://www.wsj.com/articles/trump-aides-deny-plans-to-invest-in-taiwan-1480797511
 これもトランプ新政権絡みのニュースである。財務長官に就任が予定されている、スティーブン・ムニューチン氏に関して。彼も問題含みの候補のようだ。
 話は2008年7月、南カルフォルニアにあるインディマック銀行の取り付け騒ぎに遡る。当時、ムニューチン氏はこの銀行の買収可能性を調査し始めた。買収の結果、彼は数億ドルの利益を得た。
 かつて、ゴールドマンサックスのパートナーで、ハリウッドの投資家、ヘッジファンドのマネージャーでもあったムニューチン氏は、いまや財務長官候補である。トランプ新政権の他の閣僚候補と同様、トランプ氏のポピュリスト的な発言に対立するような身上だった。
 トランプ氏は政権幹部を、伝統的な共和党寄りの人間と、非伝統的な要素を組み合わせてつくろうとしているようだ。とくに、ムニューチン氏のように、大きなリスクをとって巨額の富を得たような人々を含んでいる。ムニューチン氏にとって、インディマックの件は、彼のキャリアを象徴するような案件だった。
 ムニューチン氏は53歳で、政府の要職に就いた経験はない。彼の政治的な信条も明らかになっていない。
 インタビューの中で、ムニューチン氏は、新政権の目標は3から4%の経済成長を達成することだ、と述べている。そして、最優先の政策課題は、連邦税制を修復し、金融規制を一定程度揺り戻し、貿易協定の見直し、インフラ投資を行うことをあげた。
 しかし、彼が財務長官として議会承認を得るプロセスで、困難も予想される。上院の民主党幹部は、ムニューチン氏が略奪的貸出の犠牲者から利益を得たという過去が問題になるとの認識を示した。
 http://www.wsj.com/articles/steven-mnuchins-defining-moment-seizing-opportunity-from-the-financial-crisis-1480547063?mod=whatnext&cx_navSource=cx_picks_pol&cx_tag=poptarget&cx_artPos=2#cxrecs_s