英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

アナーキー・イン・ザ・UK

 曇り。今年も半年が終わった。
 ブレグジット後、注目されるのが英国の中央銀行イングランド銀行の動きだ。カーニー総裁は、消費者や企業が不確実性の高まりに反応し、今後数ヶ月の成長は減速するだろうと述べた。さらに、追加利下げやそれ以外の緩和手段が必要であると述べた。
 イングランド銀行国民投票の前に、離脱はビジネスに大きな影響を与えると予測していた。現実は予測通りに推移している。カーニー総裁個人の意見と断りつつ、現在0・5%の政策金利は夏以降に引き下げられる見通しである。8月に成長やインフレの新しい見通しをだし、それに添ってアクションがとられることが考えうる。 
 http://www.wsj.com/articles/boes-mark-carney-hints-at-summer-rate-cut-1467299787
 エコノミスト最新号。「Anarchy in the UK」である。
 いくつかの記事が掲載されているが、下記の記事は、ブレグジット派の勝利はリベラルな国際秩序に対する警告であると分析している。
 ブレグジット派の多くの人は、そのキャンペーンを楽観論をもとに組み立てていた。EUの外に出ても、英国は世界への扉を自由に開くことができるだろうと考えていた。しかし、彼らの勝利を担保したのは、怒りであった。
 その怒りとは、移民に対する怒りであり、グローバリゼーションや社会自由主義フェミニズムに対する怒りであった。世論調査が示しているのは、反EUへの投票に転化してしまったことだ。
 今日のリベラリズムの危機の淵源は1989年にある。ソビエト連邦の崩壊の灰塵の中から生まれた。当時、思想家のフランシス・フクヤマは歴史の終わりを唱えた。デモクラシーと市場、グローバルな協調以外に、社会を組織化する原理は存在せず、それらに挑戦するイデオロギーがもはや残っていないという意味だった。
 これはリベラリズムの偉大な勝利だった。それから四半世紀が経ち、多くの人々は繁栄を謳歌したが、多くの有権者は取り残されたと感じていた。
 彼らの怒りは正当化できる。新聞を含め、グローバリゼーションの支持者たちは、テクノクラートたちは過ちを犯し、普通の人々はその代償を支払わされていることを認識すべきである。欧州共通通貨はテクニカルなスキームだが、経済の停滞と失業をもたらし、欧州を解体方向に導いている。
 http://www.economist.com/news/leaders/21701478-triumph-brexit-campaign-warning-liberal-international-order-politics