英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

マイナス金利という実験

 晴れだが、風が強い。昨夜は熊本で地震があった。
 マイナス金利の世界について。日本の実験は行き詰りつつある、と指摘している。「毎日が不思議の国のアリスだ」と。
 マイナス金利政策導入から2ヶ月が経過した。事前に予想されていなかった結果をいくつか生みつつある。
 短期金融市場の取引は枯渇した。そして、国債金利はゼロを下回っているのに、国債需要は旺盛である。外国人投資家も、円を安く調達できることもあって、国債取引に飛び込んでいる。
 こうした副作用は為替相場に影響を与えている。ココ数週間はドル円の取引高が過去18ヶ月で最高値を記録している。低金利は通常はその国の通貨を割安に導き、輸出業者を援助するものだが、円高が進行している。安全資産として買われていることと、ドルがFRBの利上げ期待後退で安くなっているためだ。
 特にマネーマーケットの取引が急減している。信託銀行は最近、翌日物の短期市場で資金を運用するのではなく、日銀の当座預金に資金を置いておくことが多くなった。もし、短期市場が枯渇してしまえば、リーマンショックのような危機がおきれば、銀行にとって資本を調達するインフラがなくなってしまう、という懸念も出ている。
 http://www.wsj.com/articles/japans-negative-rate-experiment-is-floundering-1460644639
 エコノミストより。
 グローバルな経済危機が水平線上に見えているのかというと、おそらくそうではない。また、世界経済はリセッションの淵に立っているのかというと、すぐにはそうならないだろう。しかし、IMFの最新の経済見通しは、ネガティブなものだ。ワシントンで会見したIMFのオブズフェルド・チーフエコノミストは、次回の見直しでも下方修正するだろう、と述べた。
 ここで挙げられたリスクの一つは、非経済的なリスクであるという。
 http://www.economist.com/news/finance/21696883-fund-sees-danger-economic-doldrums-imf-downgrades-global-growth