晴れ。桜のつぼみが緑に色づいてきた。
欧州周縁国が資金調達ラッシュに湧いている。資金調達コストである金利が大きく下がり、調達しやすい環境になっていることが大きい。欧州債務危機は去ったのか。たとえば、ポルトガルはすでに今年の資金調達計画のうち、半分の資金を調達し終えた。
より長期の資金を調達する傾向も観察される。2013年の平均年限が7・4年だったのに対し、今年は8・7年に長期化している。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/6f2ca8ae-b121-11e3-bbd4-00144feab7de.html#axzz2wpPvccj8
ローレンス・サマーズの長期停滞論に触発された論考。実質金利低下によって実証されている不十分な有効需要が続くことが長期的には問題である、という診断だ。
通常の経済であると、金利が低下し、家計や企業の消費や投資を促すメカニズムが働く。しかし、十分な需要を促すような金利水準がかりにマイナスであるとどうなるか。名目金利はゼロ以下にならないので、もし実質金利をマイナスにしようと思えば、インフレを起こすしかない。それが実現できないと、人々は大量の国債(預金)を過剰に保有する、クルーグマン教授の言うような、流動性の罠に陥ってしまう。
サマーズの長期停滞論は、クルーグマンの流動性の罠の概念よりさらに先のことを説明している。長期的な均衡で考えてみても、実質金利がマイナスであることが必要なほど、十分な需要が足りない状態のことだ。
このブログの著者である、Mian教授らは、サマーズの長期停滞論には分配の不平等の視点が抜け落ちている、と批判している。つまり、需要不足に陥るほど貯蓄を過剰に行っているのは誰なのか、という問いかけだ。
http://houseofdebt.org/2014/03/23/secular-stagnation-and-wealth-inequality.html